少し前、公文書や役所の広報資料、パンフレットなどに、英語を中心に外国語表記や、和製英語ともいわれる略語の多用が目立ち、分かりにくい、正しい日本語を使うべきという声があがり、可能な限り正しく訳した日本語を使うように、ということがありました。
 しばらくは、このような点に気を付けていたように感じられますが、最近になり、またぞやアルファベット表記の言葉が飛び交ってきたように感じられます。
 これは、一つにIT、すなわち情報技術の急速な進歩に伴い、なかなか日本語表記が難しい技術用語が増えたことによるものもあり、その世界では英語表記そのままの方が分かりやすく、やむを得ない側面があることは認めざるを得ません。
 また、海外諸国から発祥した様々な新しい概念が世界的に拡散し、その言語そのものの表記が一般化したものもあります。
 できるだけ正しい日本語を使うことは必要なことですが、世界の様々な事柄が国境という境を越えて展開する時代に入った現代では、我々も自国語を大切にしながらも、世界共通語である英語を中心とした様々な時代の流れを表す言葉には、なじんでいかなければならないと思います。
 しかしです。問題は、外国語表記の正しい意味を知らずに、何となく雰囲気的に使うことはどうなのか、ということです。
 もう一つは、何となく外国語を多く使うことにより、内容を誇張、あるいは「はぐらかし」ているのでは、と思うことが間々あるように感じられることです。
 スマホの普及により、様々な場面で多く使う言葉に、「QRコード」(注)があります。分かっても分からなくてもアプリを入れ、使えればいいでしょうが、やはり「Quick Response」、素早く読み取る、という意味くらいは分かっていてほしいものです。
 もう一つ、「SDGs」があります。「Sustainable Development Goals」、持続可能な開発目標、ということです。
 外国語を使う場合には、そのまま使うにしても、日本語に訳してみることにより、より深くその意味するところを認識できるのではないでしようか。
 「東京オリンピックのレガシー(legacy)」となる国立競技場の今後の管理費の負担について、「何やらかんやら」という議論が一部でされてます。
 財産の「遺産」という意味ではなく、「世代から世代に受け継ぐ」という視点からの議論のようですが、東京オリンピックを巡る大きな不祥事もあり、「legacy」という英語を使うのには、いささか抵抗感があります。
 いずれ、ますます増加する外国語表記については、しっかり意味や背景を踏まえることが必要ではないかと思う次第です。
 
(注)QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
 

このページに関するお問い合わせ

総務部 広報広聴課
TEL:018-860-1076
FAX:018-860-1072
E-mail:joukai@pref.akta.lg.jp