仙北地域再造林推進協議会による学習会を開催しました
2022年12月29日 | コンテンツ番号 69876
令和4年12月15日(木)に、仙北地域振興局 大会議室において、「仙北地域再造林推進協議会による学習会」を開催し、協議会の委員である管内市町・森林組合の他、アドバイザーである林業経営者など約25名が参加しました。
学習会の様子
学習会では、湯沢市皆瀬に本社を置く北日本索道株式会社 専務取締役の仙道一吉氏から『「再造林に挑戦!」~豊かな森林資源を次世代に繋いでいくために!~』と題して、また、秋田県林業研究研修センター 総務企画室 室長の佐藤博文氏から『秋田県版エリートツリーの開発と普及に向けて』と題して、それぞれご講演いただきました。
北日本索道株式会社 専務取締役 仙道 一吉 氏
仙道氏からは、
- 林業に50年間携わってきたが、その中でも「再造林をどうしていくか」が一番大変と感じている。
- 最近は年間で約1,500ヘクタールが伐採されているにもかかわらず、再造林は200~300ヘクタールにとどまっており、現状のまま皆伐と再造林を行った場合、30年後には伐り残した老齢林だけになると予想する。
- 再造林事業の現状と課題としては、(1)林業経営意欲の欠如、(2)造林労働力の絶対的な不足、(3)山村の過疎化・高齢化・限界集落などがある一方、再造林事業を進めていくうえでは、(1)伐採と再造林を一貫して行う作業体系の確立、(2)コンテナ苗の活用、(3)造林用機械の導入、(4)造林技術者の育成、(5)適地適木の見極め、が重要である。
- 新しい取組として、ドローンで撮影した画像をGIS(地理情報システム)に取り込み、作業区域の確認などを行っている。
- 再造林の現実を肯定することは壁を乗り越えようという熱意・努力が必要であるが、「確実に前進する」ことを選択してほしい。
秋田県林業研究研修センター 総務企画室 室長 佐藤 博文 氏
また、佐藤氏からは、
- 特定母樹(※)は農林水産大臣が指定するが、秋田県では10品種が認定を受けている。
- エリートツリーとは成長が良い木どうしを掛け合わせた「特に成長が良い木」のこと。
- 政府では、林業用苗木に占めるエリートツリーの割合を、2030年までに3割、2050年までに9割にする目標を掲げている。
- 特定母樹由来の苗木は初期成長が良いため、下刈り回数の削減が可能となり、従来型と比較してコストを45%削減できるとのデータがある。
- 九州では4年目の苗木が6メートルの高さまで成長した事例があり、秋田県では寒さや積雪のためここまで伸びないが、従来の苗木に比べると期待できる。
とのお話しがありました。
この学習会の内容を各協議会員の活動に反映し、仙北地域における一層の再造林推進に取り組んで参ります。
※特定母樹について、詳しくはこちら(林野庁ウェブサイトへのリンク)をご覧ください。