エダマメ実証圃でのモミガラ補助暗渠の効果をご紹介します。
2013年12月02日 | コンテンツ番号 6723
仙北地域振興局では、モミガラ補助暗渠の効果を検証するための実証圃を設置しています。今年度はエダマメ、キャベツ、ソラマメの3品目で効果を検証しています。
平成24年6月にモミガラ補助暗渠を施工した転作田(実証圃)でのエダマメの収量調査結果をご紹介します。下の表に示すとおり、モミガラ補助暗渠有りの坪刈り単収が947.5kg/10a、モミガラ補助暗渠無しが795.8kg/10aとなり、モミガラ補助暗渠有りがモミガラ補助暗渠無しと比較して119%の増収となりました。
モミガラ補助暗渠実証圃(エダマメ)収量調査結果
設置場所
大仙市協和中淀川中村
実証概要
モミガラ補助暗渠施工日
平成24年6月1日
区の構成
区 | モミガラ補助暗渠施行 | 品種 | 播種 | 面積 |
---|---|---|---|---|
実証区 | 有り | 雪音 | 6/14 | 7a |
対照区 | 無し | 雪音 | 6/14 | 7a |
耕種概要
条間85cm×株間28cm 単条1粒播き 無マルチ
施肥及び防除は農家慣行としました。
結果
- 降雨後の排水は実証区で排水性が向上しました。特に、7月5日の豪雨時の停滞水は両区で明確な差が観察されました(図-1、図-2)。
- 地上部の生育量は対照区でやや勝っていました。特に分枝数、茎径、主茎節数で対照区が勝っていました(表-2、図-3)。
- 1株当たり莢数は実証区で多く、商品莢割合、3粒莢割合ともに実証区で高くなりました。商品収量は実証区で多く、約19%の増収となりました(表-3)。




考察
今年は栽培期間中の降水量が平年の54%と少なく、月別にみても7月以外は平年より少なかったため、開花期前後以外は乾燥傾向で経過しました(表-1)。このことからモミガラ補助暗渠による排水効果はエダマメの生育に影響しづらい年であったと言えます。そのため、地上部の生育量では対照区が実証区より旺盛になったと考えられます。
しかし、コンパクトな草姿ながら、商品莢数や商品収量では逆に実証区の方が多くなりました。この原因は不明でありますが、モミガラ補助暗渠を施工したことで莢の歩留まりが向上したことが商品収量を向上させたと推察されます。
したがって、モミガラ補助暗渠施工圃場におけるエダマメ栽培は、干ばつ条件下でも増収効果があると考えられます。また、今回の調査では暗渠管の水閘は常に開けっ放しとしていました、干ばつ期に水閘を閉めるなどの水管理をすれば更なる増収の期待が持てるのではないでしょうか。
県単モミガラ補助暗渠事業
県では、農家等が行うモミガラ補助暗渠の施工に一定の助成を行います。区画整理済みで暗渠が入っていれば対象となります。また、次の年に大豆・枝豆等の転作をすることが必要です。
助成額
業者等へ委託する場合
作業委託契約額の2/3を助成しますが、17,000円/10aを上限とします。
農業生産法人、農家等が直営施工する場合
13,000円/10aを上限に助成します。
詳しくは、仙北地域振興局農林部まで問い合わせ願います。