キノコ狩りのシーズンには、全国で例年のように毒キノコによる食中毒が多数発生しており、令和5年度には秋田県内で2件ツキヨタケによる食中毒が発生しています。
毒キノコの中には人を死に至らしめる物もあるため、キノコ狩りに出かける際には、誤って毒キノコを採取しないように十分注意してください。

毒キノコによる食中毒を防ぐには

食用キノコと確実に判断できないキノコは、採らない!食べない!売らない!人にあげない!の徹底が重要です。

また、このような情報や迷信を聞いたことがありませんか?

  • 縦にさけるキノコは食べられる
  • 地味な色をしたキノコは食べられる
  • 虫食いのあるキノコは食べられる
  • ナスと一緒に煮れば食べられる
  • 塩漬けにして、水洗いすれば食べられる
  • カサの裏がスポンジ状(イグチ類)のキノコは食べられる

これらは根拠がありません。安易に情報や迷信を信じることはやめましょう。

食中毒例が多いキノコと注意が必要なキノコ

食中毒例が多いキノコ

キノコの種類 症状など

ツキヨタケの写真

ツキヨタケ
(写真:厚生労働省ホームページ)

【症状】
食後30分~1時間程度で嘔吐,下痢,腹痛などの中毒を起こします。

【間違えやすい食用キノコ】
ヒラタケ、ムキタケ、シイタケなど
※令和5年度のツキヨタケによる食中毒はいずれもムキタケとの間違いによるものでした。

           クサウラベニタケの写真

クサウラベニタケ
(写真:厚生労働省ホームページ)

【症状】
食後20分~1時間程度で嘔吐,下痢,腹痛など消化器系の中毒を起します。唾液の分泌、瞳孔の収縮、発汗などの中毒症状も現れます。

【間違えやすい食用キノコ】
ウラベニホテイシメジ,ホンシメジ,ハタケシメジなど

注意が必要なキノコ

キノコの種類 症状など

スギヒラタケの写真

スギヒラタケ
(写真:厚生労働省ホームページ)

スギヒラタケは食べられるキノコでしたが、平成16年以降、スギヒラタケを食べたことで急性脳症が疑われる事例が多数報告されています。従って、スギヒラタケは食べないでください。

【症状】
急性脳症を起こします。原因不明の中枢神経障害で,発症初期には脚の脱力感やふらつき,さらに数日経つと,筋肉の不随意運動が出現,その後急速に麻痺や全身性の痙攣,意識障害を起こし,脳浮腫が進行し,死亡します。
主な症状は意識障害,不随意運動,上肢振戦,下肢脱力。

【間違えやすい食用キノコ】
ヒラタケ、ウスヒラタケなど

クサウラベニタケの写真

カエンタケ
(写真:大館保健所)

毒性が非常に強く、誤って食べてしまうと死に至る可能性があるため、大変危険です。また、触れるだけで皮膚の炎症をひき起こしますので、発見しても絶対に触れないでください。
※近年、山中の森林はもとより、市街地の公園などでも発見例が報告されています。

【症状】
食後30分から、発熱、悪寒、嘔吐、下痢、腹痛、手足のしびれなどの症状を起こします。2日後に消化器不全、小脳萎縮による運動障害など脳神経障害により死に至ることもあります。肌に触れると接触部位の炎症を起こします。

【間違えやすい食用キノコ】
ベニナギナタタケなど

毒キノコを食べた可能性がある場合は

キノコを食べて体調が悪くなった場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。その際、残っているキノコや調理済みのものがあれば持参してください。