職員に対する年頭の知事あいさつ要旨(令和3年1月4日)

2021年01月06日 | コンテンツ番号 54910

1月4日(月) 県正庁

 まずは皆さん、明けましておめでとうございます。
 例年であれば、挨拶の要旨をメモで書いて、それを見ながらお話をしました。ただ、今日は、なるべく正確にお話をするということで、また少し滑舌が悪いもんですから、後で原稿を起こす人が苦労すると思いまして、昨日、自ら原稿を起こしまして、ほぼそのとおり読んでみたいと思います。
 また、今、ニュースで緊急に総理が11時に会見でお話をするということが入って、またそれに伴って、我々もその対応をどうするか、また今、一つ宿題が出てます。
 まず例年、雪の対策で一部年末年始も勤務体制を敷いている部署もありますが、今年は特に新型コロナウイルス対策のため、保健所を中心に疾病対策部門や検査機関、そして総合的な危機管理部門は全く休みが無し、さらに企業の金融相談や県民の生活困窮相談、雪対策においても記録的な大雪に対する対応や情報収集など、多くの部局においてゆっくりと休んでいられないという特別な年末年始であったと思います。
 私自身も横手・湯沢方面の記録的な大雪が心配で、元日の午前中に自分一人で登庁し、担当職員から状況報告を受けましたが、関係職員の皆様にはしっかりと対応していただいており、大変ありがとうございました。
新型コロナウイルスについては、年末から一部地域において連鎖的な感染拡大や職場内クラスターの発生、さらには首都圏等からの帰省者関連の感染者が目立ってきており、当分は気の抜けない状況が続くものであります。
引き続き、県民の方々への注意喚起を強化していかなければならないと思っております。
 また、横手方面での急激な豪雪は記録的なものになり、雪崩による死亡事故も発生いたしました。年末にも除雪等で亡くなられました方やけがをされた方がおりますが、お亡くなりになった方のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、けがをされた方の早期のご回復をお祈り申し上げます。
 さて、私も今年は自宅で頻繁に入る危機管理部門からのメールを見ながら必要な指示を出すとともに、主にネットを中心に今般の新型コロナウイルスに関する国内外の様々な学識者の解説や意見に目を通しながら、何がポイントなのかを探ることに没頭いたしました。
 しかし、正直言って感染経路は飛沫感染にあり、人と人との接触が主因であるという点以外は、保健医療、病理、感染症、統計理論など、様々な専門家のいうことが余りに様々で、中には全く逆の論理などもあり、今のところこれがという適切な解は見受けることができませんでした。唯一共通する感染拡大の究極な防止策は、人と人との接触を可能な限り減らすことだといっても、人間が生きていく上で誰にも会わずに暮らすことはできませんし、命をつなぐこともできなくなります。まさに人間が生きていく上で必要な経済活動を完全に止めることは不可能ですし、逆に経済活動を完全に止めることによる弊害の方が大きいことになります。要は、周辺自治体も含め、状況を見極めながら人間の行動と経済活動とを時系列的な概念も加味しながら、感染傾向の低下水準に保ち続けるということが必要になります。
 しかし一方で、国民の動きは強制的にコントロールできる全体主義的国家とは異なり、多くの国は一定の強制力を持つとはいえ、完全に国民の行動をコントロールすることはできない民主主義国家であります。もちろん我が国は多くの海外の民主主義国家よりも、さらに国民の動きをコントロールなどはできない法体系になっています。
 しかし、水資源に恵まれ、古来から清潔志向の強い我が国は、感染者が急増傾向とはいえ、アメリカをはじめ多くの先進諸国に比べれば、感染者、死亡者とも極めて低い状況にあります。
 確かに台湾やニュージーランドなど感染者が低い国はありますが、台湾は中国との緊張状態にあり、いち早く国境封鎖を行ったこと、ニュージーランドも島国で人口密度が低いことなど、一定の要因があるものと思われます。我が国の状態は、国民の清潔志向とモラル感覚で支えられているのではないかと思われます。特に本県においては県土の面積が広く、人口密度が低い、住居や飲食店の面積が広く3密になりにくいなどの要因はあるにしろ、人口当たりの感染者数は全国で最も低いこと、また、県民の皆さんが繰り返しの新聞やテレビ、ウェブでの県や市町村の注意喚起の広報による呼びかけに理解し協力していただいている結果と感謝しております。
 しかし、全国的な傾向ではありますが、最近、感染ルートが探れないものも増えており、決して油断できませんので、県民の皆様に感謝しつつ、市町村や業界団体等と連携を密にしながら、県民へのより的確な情報提供に努めるため、関係部局の連携のもと、しっかりとやっていただくようにお願いいたします。
 このような中で国においては飲食店の休業指示など一部強制力を持つ特措法の改正に取りかかるようですが、首都圏等の過密地帯と異なり、本県では現時点で接待を伴う飲食店でのクラスター発生例以外は、飲食店での目立った感染例は生じていない状況であります。今後、国の動向を十分に見極めつつ対応を検討する必要があるものと思っております。
 今回のようなパンデミックで最も影響を受けるのは、国内外とも人口過密地帯であります。確かに現状を踏まえれば、法により国民の行動に制約を課すことはやむを得ないものと思いますが、裏を返せば国民を信用していないということにほかなりません。たとえ一部の国民に問題行動があるにせよ、行動制限という措置は極めて重いものであります。
 私のあくまで個人的な所感でございますが、すぐに是正することは不可能なものの、本質的には過度な人口密集地をつくらない、端的に言えば東京圏一極集中の是正、人口の適度な地方分散しか本質的な解決にはならないものと認識しております。県の立場からいえば、県民を信用しないような決まりは、あまり作りたくはないものであります。逆に、決まりを作らずとも協力していただけるような、信頼される県政を目指すことに力を注ぐことこそ、一番大切なような気がいたしております。職員の皆さんにもこの点をご理解いただき、県民の皆さんが自発的に常識としての社会ルールを守り、支え合う寛容さの中に品格を醸し出す、すなわち高質な田舎を今こそ目指したいものであります。
 金融経済下の中で世界的な大都市への人口集中が進み、今回のコロナ禍も、これら大都市圏が大変な状況に至っております。成長至上主義、成果第一主義に警鐘が灯されているような気がしております。
 さて、新型コロナウイルス感染症の関係を中心に長々と述べましたが、実は最近の超大型台風、今回の記録的な大雪も、新型コロナウイルスと一連のものとの学説も目にしております。地球温暖化や奥地開発により、地球の気象バランスが崩れ、極端な気象現象が今後頻発するのは確実で、さらに長年閉じ込められていた原始由来のウイルス類等も開発により表に出てきて、さらに国際的な人の移動に伴い変異し、また、人の移動により世界へ広まるという、空想科学映画のような話でございますが、十分にあり得ることだと思います。
 また、今回の新型コロナウイルスにより、各国でワクチンや治療薬の開発が進められておりますが、これを持つ国が戦略物資として利用することにより、国と国との従属関係が生ずるおそれがあること、この点では生命科学や医療分野のノーベル賞学者を大勢輩出しております日本が、未だに完成を見ておらず、近年、基礎研究をおろそかにし、すぐに利益を生む実用化研究に重きを置いたことへの強い反省が必要との論も多く目にしております。日本の国際的な地位の低下も、この辺にあるような気もしております。
 加えて、世界的にデジタル化が進むことは必至であり、デジタル化は情報の集約化・分析の精密化を意味し、AIの発達や労働のロボット化も相まって、遠隔医療や行政手続きの簡素化・スピード化、自動運転による高齢者移動の利便性向上など、明るい面も多く、本県もしっかりと取り組んでいかなければなりませんが、本格的導入のコスト面も加味すれば、経済力との相関関係があり、このことは、国と国、地域と地域、人と人との格差を拡大する傾向に動き、これが差別意識にもつながることから、これら陰の部分をどのように薄め、万人のためのものにするかが大きな課題になるものと考えております。
 さて、このような状況を踏まえますと、新型コロナウイルスの影響がある程度収まるには、本年1年、完全な日常に戻るまでは2年から3年程度要するというのが大方の学識経験者の見方でありますし、私もそう思っております。まずは、当面の感染拡大防止と医療体制の整備を続けながら、経済活動をどうフォローするかという1年になるものと思われます。特に、まさにパラダイムシフト、今回のパンデミックにより、業種業態毎に大きな変化が生じ、元には戻らない業種業態もあるものと推察され、その対策を進める必要があります。
 また、我が国の過度なサービス経済化は、緊急の時に必要な物資を海外に依存しなければならないという状態をもたらし、安全保障の面からも物資製造分野の国内サプライチェーンを復活させる必要も生じております。加えて、次の国際的危機は、気候変動によります食料需給問題という説も多く目にいたしました。食料自給率が低く、エネルギー資源の少ない我が国にとって、極めて重い課題であります。
 そのような時、私たちのかけがえのない秋田を、もう一度しっかりと見つめなければなりません。秋田は明治維新からの日本の近代化、太平洋戦争敗戦後の復興、東日本大震災からの隣県の復興、いわば日本における危機的な状況の中で存在感を発揮してきた経緯があります。人口減少、高齢化等、大変大きな課題は山積みしております。しかし、秋田はこれからの日本にとってなくてはならない存在になります。とはいっても、黙っていてもそうなることではございません。古くからの水力、そして地熱、バイオマス、風力、まさに異常気象をはじめ病原体繁殖問題の切札でもある今後の二酸化炭素ゼロエミッションに不可欠な再生可能エネルギーの宝庫であり、CO2吸収源としての森林と補完する水資源、そして農林水産業の食料資源、さらには大きな空間容量、これらを活かす優良な港湾や完成間近の高速道路、そして勤勉で優秀な人材や教育研究機関、さらにはいやしの自然空間や観光資源、民俗文化資源など、アフターコロナに存在感を増す有形無形の資源の宝庫といっても過言ではありません。これらをどう活かすかは、ウィズコロナからアフターコロナに移り変わるここ数年が勝負であります。当面、職員の皆さんには、県民の安全・安心と生活の安定、経済の持ち応えに注力しながら、2020年代を我々秋田の時代とするため、学習を重ね、地道に粘り強く、特に県民の皆さんにしっかりと向き合い仕事をしていただくことを期待し、年頭の言葉といたします。
 加えまして、先ほど菅総理が11時から1都3県に対する緊急事態宣言の発出を検討する旨のニュースが飛び込んでおります。一応、1月9日からの発出ということでございますが、これに伴って1都3県との当然、不要不急の往来(の自粛)、それは県民にしっかりと広報する必要がございますので、準備を怠らないように、11時からの総理のニュースを見ながら、すぐに取りかかっていただきたいと思います。
 いずれ今年は、大変な年となります。まずは落ち着いて様々な面にしっかりと向き合って、スピーディーに、すぐに様々な面に、県民の理解を得ながらスムーズに事を進めるようにお願いしたいと思います。
 以上であります。終わります。