令和2年7月28日(火)「知事臨時記者会見」(新型コロナウイルス感染警戒レベルの設定について)
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●知事臨時記者会見
「新型コロナウイルス感染警戒レベルの設定について」
(幹事社)
幹事社の産経新聞です。よろしくお願いします。
はじめに、知事からご発言があるそうですので、よろしくお願いいたします。
(知 事)
この4連休の25日、26日に、4月14日以来初となります感染者が出ております。1名ずつですが、これは一連の連鎖ですんで、件数は1件です。1件というのは、同一の感染の濃厚接触者ということです。感染防止対策と社会経済活動の両立が必要でございます。いかにうまく、現在はこのウイルスと付き合っていくか、ということで、県民の皆さんには過剰に反応することなく、マスクの着用、手洗い、社会的距離の確保などといった基本的な感染対策をしっかり守ってほしいと思います。また、接触確認アプリ「COCOA」は、スマホにまだ全国で1割程度しかインストールされてないという情報です。スマホを持ってる方については、是非この「COCOA」をインストールし、万が一の場合に備えてほしいと思います。また、県におきましても、県単独のアプリを出してますんで、こういう最新のツールを使って、しっかりと万が一の場合に備えてほしいと思います。
また、接待を伴う飲食店をはじめ、3密となる場での会食、あるいは、宿泊施設における、あるいは飲食店における、あるいは集落の会館などにおけるカラオケ等については、非常に感染確率が高いですので、是非避けていただきたいと思います。
また、少しでも体調に変化があった場合は、無理をせずに、出勤あるいは学生さんにおいては学校等に登校せず、帰国者・接触者相談センターに速やかに相談してほしいと思います。
都道府県をまたぐ移動に関しては、訪問先の感染状況を十分に確認し、慎重に対応していただきたいと思います。特に首都圏をはじめ、例えば関西圏等々、感染拡大地域への観光等については、経路不明の感染者が非常に増えてますんで、できれば極力避けていただくと。また、そういう地域から夏休み等で帰省される方がいらっしゃると思いますが、ご家族に対しては健康状態を確認し、体調がすぐれない場合、あるいは若い方については十分に帰省について慎重に行うように、実家の方からお願いをしていただければ幸いでございます。お盆のお寺のお墓参り等についても、仏教界の方でいろんな指針が出てます。ですから、普通の夏とは違って、ご先祖様のお墓に行くのは、これは日本の風習ではございますが、特に実家にお年寄りのいる方については、万が一の場合を考えながら、是非とも十分に注意を払っていただければ幸いでございます。
また、様々な事業者の方、特に飲食業界について、最近感染者が出てませんので、油断があれば困ります。再度ガイドラインについてしっかり守っていただきまして、また、慣れというものが非常に怖い状況ですんで、最低限のガイドラインの遵守、そして、できればいろんな工夫をしながら安心して営業ができるような状況にしていただければ幸いでございます。
特に観光関係でございますが、Go To トラベル事業がスタートしています。多くの宿泊施設・ホテル等については、申し込みをせずに、Go To トラベルの事業に加わらないというところも多いようですが、Go To トラベル事業にかかわらず、首都圏からも一定のお客さんがお見えになることは避けようがないことですんで、十分にそういうところについても注意を払っていただきたいと思います。
県としては医療体制等について最大限努力してまいりますんで、県民の皆さんにも自らのこととして、またご家族、あるいは親友、友人、知人にも、万が一感染してしまうと、いろんな面でご迷惑をかけることになりますんで、是非慎重な行動を再度ご認識いただけますようお願い申し上げたいと思います。この後、必要に応じてマスコミ等を通じ注意喚起は繰り返し行っていく所存でございますんで、ひとつよろしくお願いいたします。
以上です。
(幹事社)
それでは、幹事社からまず1点お伺いします。
先ほど、3カ月ぶりに感染確認が2人、2件出たことについて、過剰に反応する必要はない、恐れる必要はないと知事はおっしゃいましたが、一方で、若い人を中心に感染防止対策に緩みが出ている、慣れが出ていることも心配だというふうにおっしゃいました。そういう状況の中で今度の2人が出たということについて、知事自身はどの程度の危機感というか、とらえ方をされてるんでしょうか。改めてお伺いしたいんですが。
(知 事)
今回の感染者のお二人は、相当注意をしていらっしゃると思います。ただ、感染はどんなに注意をしても、例えば3密を避ける、あるいはマスクをしてる、そうであっても100%ということはないです。ですから、たまたま今の段階で濃厚接触者については、あと数名を除いて陰性です。そういうことでありますが、接触の感染というのはあり得るんです。例えば、サービスエリアに行ってトイレを使うと。1回ごとに消毒してるわけでないですから、そういう場合について、いくら注意しても手で触ることがありますんで、これは避けようもないことです。ですから、そこまで神経を使うとすると、どこも行かれないと。むしろそれよりも、若い方の大勢でクラスターとなるような集まりが怖い。特にそういう状況について、最近、私のところにもメール、あるいはお店屋さんから、自分の店の前で若い方がマスクをかけずにわいわいやってるという連絡もありますんで、そういうところについて、夏休みは若い方が多く帰ってきますんで、また、若い方が帰るのみならず、現にいる若い方も集まりがあってそういうことがありますんで、クラスターになるような場面については、注意喚起をこれからも強く行っていきたいと思います。
(幹事社)
ありがとうございました。
それでは、各社質問がありましたら。
(記 者)
本日、新型コロナウイルスの警戒レベルの設定がなされましたが、今回このタイミングで警戒レベルを設定されたのは、第2波を警戒されたのか、もしくは県内でも久しぶりの感染者が出たことがきっかけなのか、このタイミングでの設定の理由について教えてください。
(知 事)
県内では4月から出てませんが、これについては相当前から、夏休み、あるいは夏の観光シーズンに合わせて、7月末頃までに作るということで作業をこれまで続けておったわけです。ですから、今回のこの例とは全く関係なく、夏に備えるということで、前からの準備が整って、医師会、お医者さん、専門家の意見も聞いて今回発表したということです。
(記 者)
そうすると、今回の感染だったり第2波っていうよりかは、人の往来が増える夏に向けて準備されてきたと。
(知 事)
はい。
(記 者)
分かりました。
もう一問、知事の認識をお伺いしたいんですが、今回また2名出たということですが、秋田市の発表だと感染経路については依然不明ということで、県外には行ってるけどもそこで感染した可能性については何とも言えないというような反応でしたが、知事のご認識として、県内にも第2波が近づいてるという状況なのか、それとも、まだそういった状況にはないのか、どのようにお考えでしょうか。
(知 事)
これは、夏休みになりますので、まずお盆の頃でないと分かりませんが、今のところ県内の第2波というような認識までは至ってございません。ただ、注意をこれからしっかりしないと。今日も相当数検査してます。観光というよりも、経済活動でどうしても運輸だとか、様々な面で首都圏等と行き来する必要がある方がいらっしゃいますんで、こういう方々がまず心配があって、ちょっと体調が悪いということで検査をしてると。今のところ(そういう方が)増えてるということで検査数も大分これから増えるんじゃないかということが想定されます。ただ、現在まで(新たな)陽性者がまだ出てませんけども、県境封鎖でもしない限りゼロでいくということは、無理があるんです。ですから、いかに少なくするかということは必要ですが、この後全く出ないように防御するということはできませんので、いかに早くそういう認識を持ってもらって、ちょっとでもおかしかったら他人に近づかない、すぐ相談してもらって検査をするというふうに持っていきたいと思います。
(記 者)
分かりました。ありがとうございます。
(幹事社)
ほかにありますでしょうか。
(記 者)
今の段階がどのレベルにあって、県民に対してどう要請していくのかっていうのを改めて知事の方からお願いします。
(知 事)
今あの、一番低い段階です。
(健康福祉部長)
病床確保上のフェーズからいきますと、現在、感染者が2名ということでございますので、2aから2bの間といったところかと思っております。
(危機管理監)
資料3の中で言うと、週に1人から6人ということですので、これまではゼロでありましたけども、一応強い注意喚起ということで(警戒)レベル2に該当するということで認識しております。
(記 者)
ありがとうございます。そうすると、じゃあその上で改めて、知事から県民に今の段階でどうお願いしていくのかっていうのをちょっとお願いします。
(知 事)
先ほど言ったとおり、県内にお住まいの方は、普段どおり、3密、あるいはいろんな注意、うがい、消毒等々をしっかりしていただきたいということと、あと、県外と往来する方は、是非とも必要度について十分注意しながら、特に感染の多い場所については、観光等の遊びは控えてほしいと。あとは、業務上どうしても必要がある場合については、万全の警戒をしながら、そういうところで会食、あるいは密になるところに行かないように、また接待の伴う夜の街に行かないようにと。相当数(県外へ)行ってますが、全体からすると相当往来が少なくなったと言えども、検査の方は、そのうちのほんの0・何%です。ですから、ほとんどの方は行き来しても何にも出てませんので、これを全部やめるというわけにいきません。必要不可欠な場合については仕方がないと思いますが、そういうところについては、なるべく往来を避けるようにっていうことが基本です。
(記 者)
検査の体制は整えてあるということですけれども、今回の秋田市の女性のケースを見ますと、熱、体の痛みを訴えてクリニックに行ったけれども、すぐ検査には至らなかったというところで、なかなか相談センターに行っても検査に至らないケースもあるんじゃないかと聞いてますが、その辺りについて、知事は、どう進めていくべきだとお考えでしょうか。
(健康福祉部長)
はい。検査体制は整いつつあります。また、相談体制も大分以前から見ると整ってきておりまして、相談を受けた場合には適切な対応ができているものと思いますけれども、なかなか電話の相談の中では具体的な症状までうまく伝わらないようなケース、あるいは判断しがたい状況があって、あるいは直接医師の判断といいますか、実際に診察をした医師が検査を判断しなければならないという場面がやはりあり得るのかなと思っております。大分、医療関係の考え方も以前から見れば大分変わってきた、国の指針も変わった中で、大分幅広く検査に対応できるようになってまいりまして、我々が見ておりましても、特に症状のない方でも県外との往来歴があるとか、あるいは県外から来られた方と接触した経験があるとかといった場合には、速やかに検査に結びつくといったような形にもなってきておりますので、今後検査件数は増えてくるのではないかと思っております。
(記 者)
そうしますと、センターの看護師さんの見方で変わるという検査がまだあるということですか。
(健康福祉部長)
はい。相談センターから実際に保健所の方につないで、さらに深い聞き取りをするわけですけれども、なかなか電話の中だけでは十分に把握できないというパターンもありますので、そういったときは医師の判断によるということもあり得るかと思います。
(記 者)
他県の方では、クラスターが発生した施設に関して、施設の了解がないと公表できなくて困ってるケースもありましたけれども、秋田県の場合はどのような対応をしていく方向性なのか教えていただければと思います。
(健康福祉部長)
本県におきましては、これまで福祉施設等での発症の例はございませんけども、以前医療機関の従事者の方が感染した場合には、医療機関から積極的な公表といったものがございました。実際個々のケースで判断をすることになるかと思いますけれども、できるだけ(施設の)中でのクラスターの発生、それから(施設の)外への感染といったものがないように適切に判断していくことになるかと思います。
(記 者)
基準のようなものを作るご予定等、まあ他の県ではそういうのを設けるっていうケースもありましたけれども、その辺り知事はいかがでしょうか。
(知 事)
基準を設けるとなると、場合の数が多過ぎるんですよ。ですから、数字の基準というのは、基準、基準って言うけども、科学的に言えば、場合の数が多いときは基準がマイナスになるときがあるんです。ですから、状況に応じて、要するに、一定の公表をすることによって、これ以上(感染が)広がることが防げるという場合については、やっぱり公表すべきだと。で、数が少なくてもその後に感染拡大が非常に心配される場合と、数が多くてもそれで終わるという場合ありますんで、そこら辺は、、いろんなファクターを追って複合的に勘案しながらやるということが一番じゃないかと思います。アラートをやっても、余り意味がないんだな。何がアラートって。これ以上言うと。いろんな考えがありますから。基準っていうのは、こういう基準は作ったけども、公表の基準はまちまちですから。そういうことで、場合(案件)によって当然1件ずつ判断するということです。
(記 者)
病床確保計画の病床数が出てますけども、これは現時点でどれぐらい進捗しているのかということと、宿泊療養居室なんか、まだルポールさん以外にも確保とかが必要だと思うんですが、大体いつぐらいまでにこの数字は達するべきだというふうに知事としてもお考えなのかという、あの、健康福祉部長と一緒にお答えいただければと思います。
(健康福祉部長)
病床の確保につきましては、既に医療機関からいただいた意向調査を基に、今回この計画を作成してございます。で、ほぼ同意は得られておりますけども、今回の計画の策定を踏まえまして、改めて医療機関には、こういった数でお願いしますということで要請を差し上げたいと思っております。
宿泊療養施設につきましては、現在、ルポールみずほに16室29人分ということで確保してございます。療養施設者数、これは療養が必要な人から入院に対応する人数を引いた分でございますけども、まず一つには、入院した後の退院の基準が大分変わって短くなってございます。以前ですと1カ月以上も入院された方が、症状がほとんどなくても入院された方がおりましたけども、現在、10日とか2週間程度で退院されるということが普通な状況のようでございます。そして、本県の場合でございますけども、東京の場合は、症状のない方はまっすぐ療養施設、あるいは自宅療養といったことになってますけども、本県の場合は、まず一旦は感染症指定医療機関等に入院していただくといった方向をとっております。そういったことで、宿泊療養施設というのは、現在の状況ではですね、なかなか利用されることは想定しにくいんでございますけども、それでも今後増えた場合に備えて、一定数を確保していくということにしてございます。それで、各ホテル等に交渉しておりまして、今後その必要数につきまして確保していくということで準備しているところでございます。具体的な期間でございますけども、現在は、ルポールみずほの借り上げが9月までということになっていますけども、それより前に必要な69(室)以上ということで準備を進めてまいりたいと思っております。
(幹事社)
それでは、知事の予定もありますので、あと質問は1社にさせていただければと思います。
(記 者)
西村経済再生大臣が24日に、接待を伴う飲食店で新型コロナウイルスの感染が確認されて、なおかつ感染防止ガイドラインに従ってない飲食店の場合は公表するという指針を出されましたが、県としてはどのようにお考えでしょう。
(知 事)
どうなんですかね。あのガイドラインって、余りサイエンスが入ってないんですよ。例えば、換気をしても、エアコンの方向性、あと換気の効率、窓の形状、あと座り方で違うんです。ですから、あのガイドラインっていうのは、非常にラフです。空気の入れ換えを計算するには流体力学(の知識が必要)で、ものすごく難しい。例えば、建築基準法の換気の基準は、非常にチェックが細かいんです。ですから、片方(ガイドライン)がオーケーで片方(建築基準法)がだめでも、精密に計算すると、だめな方が良くって、良い方が悪いということが、流体学から言えば、いっぱいあるんです。ですから、あんまり当てならないんだな。やっぱり一番は消毒と、お客さんとの距離。これをまず守っていればいいと思いますが、今の秋田の場合は、そもそも東京と違って、お店が広いんですよ。そういうことで、クラスターが出た場合については、ある程度しっかり観察しながら、そういう指導をするということはあり得ると思います。
(記 者)
では、県民に対して何かその店名を公表するとか、そういった考えはないということですか。
(知 事):
すぐ分かりますから。ガイドラインをあまりにも無視するという場合は、公表もあり得ます。
(幹事社)
では、よろしいでしょうか。
では、ありがとうございました。これで終了します。