1月6日(月) 県正庁

 まずは、あけましておめでとうございます。
 今年の年末年始、休みが9日間ということで、例年に比べ大分ゆったりと過ごしたのではないかと思います。
 私も少しゆっくりして、元旦に皇居の新年祝賀の儀に出席いたしました。東京の方は非常に快晴で、いつもの東京と違って静かな東京です。その後に少し、骨休みをして、今日このように出てまいりました。
 例年のように危機管理、あるいは除雪、施設の管理、医療福祉関係の職員の皆さん、また予算関係の職員の皆さまはフルに休めなかったと思います。31日から元旦にかけて少し天気が荒れ模様でしたが、暖冬気味ということで、全県的に雪も少なく、除雪関係の方は少し余裕があったのではないかと思います。
 反面、ウインタースポーツを楽しみにしていた方や、スキー場の関係者、また雪景色を楽しみにした観光客、また、冬がまさに商売時という方は、やきもきしていたのではないかと思います。
 今冬、長期予報では全国的に暖冬ということで、冬に入ってから観測史上、気温の最高値を記録したところもあるようですが、寒さや雪に悩まされることもなく、暖冬を何となく喜ぶ気持ちがある反面でございますが、雪解け水となる雪や寒さは、農業や観光などにとって大変貴重な資源にもなります。そういうことを考えますと、地球温暖化による暖冬ということを一概に喜んでばかりはいられない気持ちにもなっております。


 さて、年末年始の秋田市の街の様子、私も忘年会で幾つかお邪魔しましたが、令和初のお正月ということで、例年に比べ賑わいが感じられたような気がします。特に消費税増税の影響がどのようなものか、賑わいと消費が比例したのかどうかは、いずれ今後わかってくるのではないかと思います。
 しかし、秋田駅周辺は明らかに人の出が多くなっているように感じられました。これも、JR東日本が中心となって進めております駅周辺の再開発の影響と思いますし、いずれ県・市連携文化施設の建築も進行中で、秋田の顔となります秋田駅周辺の賑わいの復活が全県的に及んで欲しいものだと願わずにはいられない心境でございます。
 さて、今年は少し大きな側面から話を進めたいと思います。それは、世界的な動き、そして国内の動きが即、我々県政の動きに直結するような感じがするからであります。
 そのような意味で、まず世の中がどのように動いていくかという視点が今年は極めて大事になるのではないでしょうか。一方で、それらの動きに影響されながらも我々がどう動いていくかという視点が、それ以上に大事になっていくものと思います。令和2年は、成り行き次第では国内外とも極めて流動的、あるいは激動の中で時が進むのではないかという感じがいたしております。
 年末年始、私自身、様々なニュースや時事評論に目を通してまいりましたが、いずれも平穏な年にはなりそうもない。中には、中東情勢の緊迫化が世界経済を大きく脅かすというような論調も多く見受けられております。


 まず、世界の動きから目を転じてみますと、アメリカとイランとの摩擦が今後どのようになるのか、中東情勢が極めて緊迫化しており、特に原油高、ドル売り円買いで、円高傾向にも入ってまいりました。
 日本のエネルギー調達が分散化しているとはいえ、万が一、中東での軍事衝突という事態になりますと、中東への原油依存の高い日本は、経済面、ひいては国民の暮らしにももろに影響が及び、さらに円高の追い打ちは、消費税増税のマイナス効果も重なることにより、国、地方とも目下の経済政策に重大な影響を及ぼし、また、これらの影響には国、地方とも有効な手段を持ち得ない側面があり、当面、目が離せない状況にございます。
加えて、北朝鮮情勢も一向によい方向には向かっておらず、中国の北朝鮮への自制の進言が救いとはいえ、中東情勢にアメリカが相当にエネルギーを費やすような状況に陥った場合には、北朝鮮の日本や韓国への挑発や圧力が増すようなことも想定されております。
 翻って国内情勢を見ますと、今後、消費税増税の影響が、どの程度に収まるのか、また、20日から始まります通常国会も、ご承知のとおり様々な問題で極めて波乱含みなものになるのは確実で、新年度予算の成立への影響も懸念される状況になってございます。
 このような中で、7月には東京オリンピック・パラリンピックという国際的な一大スポーツイベントの幕が開かれます。まずは、緊迫化する国際情勢の影響を被ることなく、スムーズに運ぶことを願うとともに、一人でも多く本県関係の選手の出場と活躍を期待したいものです。
 いずれにいたしましても、これらの様々な内外情勢の中で、我々には県政課題にどう取り組むかが課されている状況でございます。まずは皆さんには、客観情勢がどのように変化しようとも、なすべきことはなさらなければならないという気持ちで、臨機応変に仕事に当たっていただくことを望みます。
 特に、管理監督の地位にある職員は、状況変化や近年の傾向というものに敏感になり、時には大幅な進路変更も辞さない気持ちで、積極果敢にみずからの職責を果たしていただきたいと思います。
 今後、当初予算編成を経て、各部局の新年度の取り組みの方向性が具体化していきますが、これまで各部局ごと、そして全部局共通の重点課題や施策の方向性は十分に議論してまいりました。そのような中で、今日は個別の施策事業には触れませんが、いずれにしても時代のスピードはますます早くなり、5Gなど情報技術はもとより、多くの面で次々に新しい要素が出現し、従来の行政組織の常識的な仕事の仕方では、あっという間に、置いていかれる状況に陥ることは必至であります。
 もちろんしっかりした知識と活用方針なしに新しい要素にすぐに飛びつくことがよいとは限らず、大枚の予算をかけた割には無駄に終わったという例も、国や自治体でも散見されますが、少なくとも、まずはみずから一定の知識を持ち、柔軟な志向を持つ若い職員も交え、新しい波を施策事業に有効に活用できないか、積極的に研究・検討していただきたいと思います。これは、全ての部局に関係することでもございます。


 少し一例を申し上げます。
 ◆ まず、行政事務や財務会計事務部門では、その効率化、正確化でございます。
 ◆ 企画部門では、政策形成の客観性確保やビッグデータによる事業根拠の明確化であります。
 ◆ Aターンや移住対策、結婚支援部門では、情報発信の強化や適正なマッチングであります。
 ◆ 観光サービス部門では、情報発信の強化や顧客動向の把握であります。健康福祉分野では、データ取得と解析によります対策の適正化、また、遠隔医療の実現などであります。  
 ◆ 生活環境部門では、県民生活の状態把握や論理的環境対策への活用であります。
 ◆ 農林水産分野では、労働力不足の解消につながりますスマート農業や市場動向の把握であります。
 ◆ 産業労働分野では、情報化時代における商業流通の近代化、工業技術と製品における情報とハードとの一体化、また、労働力不足の補完であります。
 ◆ 建設部門では、建設機械の自動化による労働力不足の補完と施工管理の情報化による効率化であります。
 ◆ 教育部門では、まさにこれから始まりますプログラミング教育におけます全国の上位目標であります。

 この点に関して少し、、ちょうど来るときにネットを見ていたら、何と、日本での様々47都道府県のランキング、あの中でおもしろいランキングがあります。
それは、日本の47都道府県の中で頭の良い人が多い県。どこだと思いますか。
 1番、東京です。2番、何と秋田県です。3番以下、大体、大都市圏。何と、秋田が地方県でポツっと2番目であります。これは、教育庁、教育委員会の大変なご努力によります。子どもの学力上位、これもあると思いますが、福井県などは、その上位に入ってないんです。(※実際の福井県のランキングは第6位。)
 というのは、やはり地味でありますが、例えば国連の明石康さん、あるいは先般、文化勲章を受けた佐々木毅さん、あの方々のように中央で、逆に言えばね人材の流通ということにもなりますが、中央でいかに秋田の方が様々な意味で、相当活躍してるということもあるんではないか、そのように思います。
 47都道府県の様々なランキング、私あれが、興味を持って見ますが、ワーストも多いです。ただ、上位も大変多い。一番おもしろいのは、県外の方の評価が非常に秋田はいい。
秋田の方が自分のところに評価について、非常に悪い評価を出す。何となく自信のなさ。
 ただ、県外から見ますと秋田は非常に評価が高い。まさに、この可能性であります。そういう意味で、特に教育部門では、このプログラミング教育が始まりますが、これも、しっかりやってほしいと思います。
そして、既に新しいその流れ、これは他県や民間企業におけるスピーディーで有効な活用事例が数多く見受けられるようになっており、これらの社会の進展、変化に敏感になり、新しい要素を前向きに研究・検討した上で積極的に活用し、成果に結びつけていただきたいと思います。


 いずれにしても、行政は最終的にはプランニング、そして、いかにいいプランニングでも成果を出すか出さないか、これがまさに鍵であります。どんなにいいプランニングでも成果が出ないプランは、これはいいプランではございません。
是非成果をしっかり、小さい成果でもいいです。小さい成果が必ず大きな成果に結びつきます。是非ともその点について意識してほしいと思います。
 そして、私自身、3期目の最後の年であります。この1年、誠心誠意、数多い県政課題に全力で当たっていく気持ちでございます。しかし、私一人では何もできません。私は県政の最高責任者として、私自身の役割をしっかり果たします。
皆さんはそれぞれのみずからの職責としての役割をしっかり果たすことにより、大小数多くの歯車で構成されております県行政という基本がスムーズに回転し、前に力強く進むということになるのではないでしょうか。
 内外情勢、極めて波乱含み。場合によっては、令和2年という年は様々な意味で歴史に残る1年になるかもしれませんが、いかなる状況になろうとも、置かれた状況の中で県民一人一人のために最善を尽くす1年にしたいと願い、新年の挨拶といたします。
 大変短い挨拶ですが、私自身、この1年しっかり頑張ります。皆さんも是非自分の職責、そしてチームワーク、県庁ワンチームでしっかり成果を出すように頑張ってください。
 特に健康に留意し、この1年間、はつらつと仕事をしましょう。ぜひお願いいたします。ありがとうございます。