【第6回ジバゼミ開催】「世紀を超えた味わい 曲木家具」 ~ 秋田木工株式会社~

2018年10月10日 | コンテンツ番号 37882

つながる「ふるさと」、オガチの底ヂカラプロジェクト  趣旨

湯沢雄勝地域には川連漆器や稲庭うどん、清酒や味噌醤油など、秋田を代表する数多くの地場産業があります。また、国内外に誇るトップクラスの技術を有し、長年、地域とともにその歴史を刻んできた企業・事業所が多く存在しています。

このプロジェクトでは、湯沢雄勝の顔とも言える経営者らが、管内産業の魅力をより深く学び合うことで、地元企業や人物等の魅力を再認識するとともに、「ふるさと教育」を通して、地域の子どもたちや若者に、地元の良さや郷土への誇りを伝える土台を築くことを目指していきます。

ジバゼミ開催の概要 

ジバゼミ〖じばぜみ〗とは・・・

管内企業等や伝統産業の特長や強み、地域に根ざした事業展開の理由や意義等について学ぶ、交流勉強会のことです。

「社会科見学編」と「地場産業体験編」の二種類があります。

開催概要と講師

【開催日】平成30年10月3日
【講師】秋田木工株式会社 代表取締役専務 風巻 穣 氏
【プロフィール】
風巻専務は長崎県佐世保市出身。1987年大塚家具に入社。主に物流系の業務に携わる。大塚家具の配送センター所長を歴任後、2016年執行役員流通本部長就任。2018年3月秋田木工株式会社代表取締役専務就任。
現在、湯沢市内で単身赴任満喫中。横浜の自宅では奥様と猫2匹が「亭主元気で留守がいい」状態とのこと。

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秋田木工株式会社 代表取締役専務 風巻 穣 氏 

西洋文化と奥羽本線が結んだ、湯沢との縁

秋田木工株式会社の創業は明治43年(1910年)。
折しも、急速に西洋化が進んでいた日本では、大都市でカフェーやビアホールなどで、モダンな海外からの輸入曲木家具が広く普及しはじめていました。
なかでも、ドイツ人トーネットが開発した曲木椅子は、技術の高さに加え、画期的なデザインを取り入れており、世界でも非常に高い評価を得ていました。
当時、国の農務省はこれに目を付け、国策として国内木材産業の発展を図るため、曲木家具製造開発に本腰を入れることとなりました。こうして、大阪、東京に続いて、国内3箇所目として同社の前身である「秋田曲木製作所」が誕生しました。


秋田木工株式会社が、ここ秋田湯沢の地で創業したのには大きく2つの理由があります。1つ目は、ナラやブラなど家具に適した木材が豊富であったこと、2つ目は奥羽本線が全線開通(明治38年)したこと。
この二つが、湯沢に文化と人、モノ、カネをもたらすことになったのです。 

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                 秋田木工株式会社(湯沢市) 

 

木が木で立っていた時よりも、美しく

創業以来、同社が一貫して大事にしているのは「木が木で立っていた時よりも、美しく」というポリシー。これは、つまり「木に敬意を払ってこそ、木がもつ本来の良さを最大限引き出せる」という意味です。同社では社員全員が、同じ気持ちで製作デザインに向き合っているそうです。

また、歴史を途絶えさせないために大事にしているのが、常に新しさを取り入れる感覚を持つことだそうです。
近年は、JR東日本の豪華寝台列車「TRAIN SUITE 四季島」をはじめ、由利高原鉄道「おもちゃ列車」など、顧客からのセミオーダーなど幅広い分野にも、積極的に取り組んでいます。

また、何より普段の生活に溶け込む家具である以上、美しいだけではなく、使い勝手の良さを追求することも忘れません。
デザイン性と強度、軽さなどの使いやすさ、全て、高いレベルでの実現を目指して、あくなき挑戦が続いています。

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No.ルフト(写真左) (=ドイツ語で「空気」という意味)
    強度を持たせつつ、究極の細さでわずか2㎏ほどの軽さを実現。
    子どもや女性でも持ちやすく、それでいて男性も満足できる座り心地を提供できる椅子を目指した。

最後は、手がける職人のチカラ  ~技術継承は、人づくりから~

工場内を見学をさせていただくと、風巻専務が社員に声掛けする様子から、社内の雰囲気の良さが伝わってきます。
実は、同社社員は19歳から74歳と年代幅が大きいのが特徴。
社員79名のうち30名は、60歳超のベテラン世代。かつての同社の経営事情の影響で、40歳代~50歳代が極端に少なく、ほかは30代後半以下という年齢構成なのです。

それゆえ、ベテラン世代から若い世代への技術継承が、同社にとっては大きな課題。「製品の仕上がりを左右するのは、素材やデザインばかりではなく、最後は手がける人そのもの」とし、「どうすれば、さらによいものがつくれるか、主体的に考えられる人材を育てることに、今、一番力を注いでいる」と話してくださいました。

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曲木家具づくりに欠かせないのが「治具」とよばれる鉄型。治具づくりは、全て職人の手作業です。
作業工程のうち、一番の要ともいえる部分です。

工程の一つひとつが、まさにプロフェッショナル! 工場見学編 ~工程早わかり~

①木取り

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木を必要な大きさに切り出し。取り出す部位など選別にもこだわる。 

②ボイラー焚き

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木質バイオマスボイラーから蒸気を蒸釜や乾燥室に送り出す。 

③高温煮沸

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木材を蒸釜に入れ、高温蒸気で2時間ほど蒸す。 

④曲木加工

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蒸した木を鉄型にはめ、一気に曲げる。(釜から取り出して、わずか5分以内の勝負!) 

⑤乾燥

⑥切削

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美しい曲線を作り出すため、ベテラン職人が鉋(かんな)を使って切削。 

⑦研磨

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難しい曲線処理もなんのその。若手職人が手の感覚で確認しながら磨き上げ。 

⑧組立

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各セクションによる渾身のパーツを、組み立て。

⑨塗装

⑩張り加工

完成

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    数多くの製品がグッドデザインに選定されています 

参加者の感想

・長年培った「歴史」と「伝統」「高い技術力」が融合している。使うほどに、心豊かになる製品だと感じた。
・社内に、思いのほか若手職人が多いことに驚いた。技術継承が、思いのほか順調に行われているように感じた。
実際の作業工程を知ってから製品を見ると、よりその価値がわかる。今日の見学のように、もっと多くの人が見学できる機会があると、同社の技術力の高さと素晴らしさの発信にもつながる。
・小中校生、大学生など、校外学習の場にふさわしい。これら素晴らしい製品が地元で作られていることを知ると、地元愛が育まれることにもつながると感じた。
・一つひとつの工程が、まさにプロフェッショナル。これら技の組み合わせが、より素晴らしい製品に仕上がっている。値段の高さは当然と感じた。
・職人さんが、実際に使う人の気持ちを考えながら、数値に頼らず実際に手で触りながら、自分の感覚でていねいに磨き上げている姿に感動した。

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ジバゼミレポート

  第6回ジバゼミレポート  

  ジバゼミ、今後の予定

次回の訪問先は、株式会社木村酒造です。

引き続き、レポートをお楽しみに。 

 プロジェクト早わかり


 つながるふるさと、オガチの底ヂカラプロジェクト実施要領

第一回実行委員会(キックオフイベント)の模様はこちら 

ジバゼミレポート1「相川ファーム編」はこちら

ジバゼミレポート2「秋田研磨工業編」はこちら 

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