無代かき栽培のQ&A

2018年03月16日 | コンテンツ番号 32544

 八郎湖に流入する汚濁負荷では、代かき後から移植時に出される排水が大きな汚濁負荷となっていました。そこで、農家の皆さんの協力により排水を減らす浅水代かきや田植え前の落水を少なくする落水管理は全域で広がり、水田からの負荷の2割程度削減されたと考えられます。しかし、未だに代かき濁水の排水の影響は大きいものがあります。そのため、さらなる水質改善にむけて、代かき後の排水を無くすことができる無代かき栽培を推進しています。

 しかし、無代かき栽培は「雑草が多くなる」、「漏水が多くなる」、「新たに機械購入が必要」などの課題により、取り組みが進まないのが現状です。そのため、様々な課題を解消するためにQ&A方式の資料を作成しました。

無代かき栽培 Q&A

Q1 無代かき栽培にメリットってあるの?

 次のようなメリットがあります

  • 柔らかいほ場では地盤が固くなり、機械作業がしやすくなります。
  • 水田と畑転作を行う場合、ほ場の排水性が高まり砕土率が高くなるため畑地化しやすくなります。
  • 生育後半の衰退が少なく、登熟歩合や玄米千粒重が高まる傾向があります。

Q2 無代かき栽培はどこでも出来るの?

A 無代かき栽培は適するほ場と出来ないほ場があります。

無代かき栽培が適しているほ場 無代かきが出来ないほ場

○ 地下水位が高い軟弱なほ場

○ 排水不良なほ場

○水抜けが良いほ場
  漏水田では実施しない
○除草剤(土壌処理剤)の効きが悪いほ場

Q3 無代かき栽培に必要な機材は?

 お手持ちの機材(耕起ロータリー、代かきハロー)でも対応可能です。
  但し、条件によって以下の機材が必要となります。

  •  デッチャ(溝掘り機)
     軟弱ほ場では秋の降雪前にほ場に浅い明渠を施工すると春作業がしやすくなります。
  • バーチカルハロー
     代かきハローでも可能ですが、バーチカルのほうが砕土率は向上しやすいです。
  • レーザーレベラー
     均平のとれていないほ場では推奨されます。
  • 田植機 メーカーによっては無代かき移植に対応していない場合があります。
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代かきハローによる砕土
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レーザーレベラーによる均平

Q4 無代かき栽培の標準的な作業工程は

 作業工程は次のとおりです

  1. 除草剤散布 必要なほ場で耕起前に非選択性除草剤を使用。
  2. 耕 起   4月上旬から作業開始。ロータリかプラウでざっくり耕起。
  3. 砕 土   4月下旬から耕起した土が乾いたところを代かきハローかバーチカルハローで細かく砕く。ここは浅くゆっくりと作業する。
  4. 均 平   レーザーレベラー(必要な場合のみ)
  5. 入 水   2、3日かけゆっくり入れる(大区画)。
  6. 田植え   フロートの押さえは強め設定。慣れるまでは移植スピードは上げない。無代かきは透水性が高いため、深植も問題無い。

Q5 雑草が多くなるので心配です

漏水対策と、雑草の多いほ場は追加の対策が必要です
   漏水が多いと除草剤の効果が減少し薬害の発生も懸念されるので、畦塗りを丁寧に行います。漏水は、畦、特に排水路際の畦などから発生しやすいため、ほ場の周囲を1周代かきすると過剰な漏水を防げます。また、無代かきのほ場と代かきほ場でのローテーションも行われています。
   前年の雑草の状況確認や、雑草の種類を勘案した除草剤(成分)の選択が必要です。特に、前年雑草が残ったほ場は耕起前に非選択性除草剤で除草します。

Q6 春の作業に必要なことは?

春の耕起作業は土が乾いたら始めましょう
   秋起をやめ、積雪前にデッチャで田面に浅い排水路を入れると、雪解け後のほ場の乾燥が進みます。雪解け後はほ場の乾燥が進んだらすぐ耕起作業を行います。早い時期の耕起は、乾燥による砕土率の確保にも寄与します。
   砕土率は田植え時の植付精度に影響するため、ほ場が乾いた状態で砕土作業をする必要があります。4月の好天の時期に耕起を終わらせるなど天候に合わせた作業を行います。

 Q7 無代かき栽培では、浮き苗が多くなるのが心配です

 無代かき栽培では、田植え直後に灌水すると浮苗が多くなります。田植え前の水位を抑えること(ほ場の水面が2割みえる程度)、田植機を調整しフロートでしっかり土を抑え、植え付深を深くすること、田植え後2~3日かけゆっくりと湛水することで、浮き苗を十分減らすことが出来ます。 [203KB]

 

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