通報に当たって(通報内容に必要とされる要件、保護の要件等)

2006年04月03日 | コンテンツ番号 1575

Check1 通報内容に必要とされる要件

「個人の生命又は身体の保護、消費者の利益の擁護、環境の保全、公正な
競争の確保その他の国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわ
る法律」として定められた413本の法律(刑法、食品衛生法、JAS法、
大気汚染防止法、独占禁止法など)に規定される法令違反行為が生じ、又
はまさに1生じようとしていることが必要です。

対象となる法令違反行為は?

1 刑罰規定に違反する行為(罰金や懲役等の刑罰が科される法令違反
 行為)

   例えば、

   ・他人のものを盗んだり、横領すること(「刑法」違反)
   ・有害な物質が含まれる食品を販売すること(「食品衛生法」違反)
   ・リコールに関連する情報を隠ぺいすること(「道路運送車両法」
    違反)
   ・無許可で産業廃棄物の処分をすること(「廃棄物の処理及び清掃
    に関する法律」違反)
   ・価格カルテル(「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法
    律」違反)

2 最終的に刑罰規定に違反する行為につながる法令違反行為

   例:届出義務  → 届出義務違反 → 勧告 → 勧告違反 → 命令
       → 命令違反 →「刑罰」

   具体例:
   ・食品表示基準違反(「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に
    関する法律」違反)
     表示基準 → 表示基準違反 → 表示等指示 → 指示違反 → 命令
       → 命令違反 → 刑罰
   ・本人の同意なき個人情報の第三者提供(「個人情報の保護に関す
    る法律」違反)
     個人情報の第三者提供禁止 → 禁止違反 → 中止等勧告
       → 勧告違反 → 命令 → 命令違反 → 刑罰

Check2 通報先に応じた保護の要件

 3つの通報先(事業者内部、行政機関、事業者外部)に応じて、それぞ
れ保護の要件が定められています。

1 事業者内部(事業者が設置又は指定した通報窓口)

次の要件を満たすことが必要です。

  ・不正の目的で行われた通報でないこと
   例えば、金品を要求したり、他人をおとしめるなどの目的の場合は
  保護されません。

2 行政機関(通報内容について命令、勧告等の法的権限を有する行政機関)

次の2つの要件を満たすことが必要です。

(1)不正の目的で行われた通報でないこと

(2)通報内容が真実であると信じる相当の理由があること

3 事業者外部(報道機関や消費者団体など被害の発生や拡大を防止するために必要と認められる者)

次の3つの要件を満たすことが必要です。

(1)不正の目的で行われた通報でないこと

(2)通報内容が真実であると信じる相当の理由があること

(3)次のいずれかに該当すること

  ・事業者内部又は行政機関に公益通報をすれば解雇その他不利益な取
   扱いを受けると信ずるに足りる相当の理由がある場合
   例えば、以前、同僚が事業者内部に通報したところ、それを理由と
   して解雇されたような例がある場合」

  ・事業者内部に公益通報をすれば当該通報対象事実に係る証拠が隠滅
   され、偽造され、又は変造されるおそれがあると信ずるに足りる相
   当の理由がある場合
   例えば、事業者ぐるみで法令違反行為が行われている場合

  ・労務提供先から事業者内部又は行政機関に公益通報をしないことを
   正当な理由がなくて要求された場合
   例えば、誰にも言わないように上司から通報を口止めされた場合

  ・書面(紙文書以外に、電子メールなど電子媒体への表示も含まれま
   す。)により事業者内部に公益通報をした日から20日を経過して
   も、当該対象事実について、当該労務提供先等から調査を行う旨の
   通知がない場合又は当該労務提供先が正当な理由がなくて調査を行
   わない場合
   例えば、事業者内部に書面で通報して20日を経過しても何の連絡
   もない場合

  ・個人の生命又は身体に危害が発生し、又は発生する急迫した危険が
   あると信ずるに足りる相当の理由がある場合
   例えば、安全規制に違反して健康被害が発生する危険のある食品が
   消費者に販売されている場合

Check3 通報に当たって留意する事項

 他人の正当な利益(名誉、信用、プライバシーなど)や公共の利益を害
することがないように努める必要があります。

 公益通報の際、例えば、

・病院の患者の氏名や病歴など、第三者の個人情報
・通報する法令違反とは関係のない事業者の営業秘密
・国の安全にかかわる情報

 などがあわせて通報された場合には、他人の正当な利益や公共の利益が
害されることも考えられます。
 また、真実でないことが、報道や公表を通じて、広く知られてしまうと、
個人や事業者が取り返しのつかない損害を受けてしまうこともあり得ます。
 このため、法では、通報者に対し、他人の正当な利益や公共の利益を害
することのないように努めなければならないとしています。