(幹事社)

 今月幹事社の河北新報です。よろしくお願いします。それでは、県発表事項について、知事からご説明をお願いいたします。

(知事)

 今日は、「全国豊かな海づくり大会」についてです。これは、かねてから本県での開催を働きかけておりましたが、この9月1日付けで、主催者は豊かな海づくり大会推進委員会ということで、平成31年度の大会が本県で開催されますことを決定をいたしてございます。
 今年が山形県、来年29年度が福岡県、30年度が高知県ということで、その次に秋田県でございます。秋田では初めての大会です。この大会は、水産資源の保護、管理、あるいは海の環境保全、こういうものに対する理解を深めることを目的に、昭和56年以降、毎年開催されている行事です。
 大会の開催を通じまして、ハタハタや北限のフグ、岩牡蠣など本県の水産物や自然環境等の魅力を全国に発信してまいりたいと考えております。ちょうど30年度には、男鹿の水産振興センターの、特に研究施設の全面的な改築をしてございますので、それがちょうどできます。そういうことも含めまして、タイミングがいい時期でございますので、また、本県の漁業について、最近若干元気がありませんので、こういう全国的な大会を招致しまして、漁業、あるいは海に関する様々な理解を深めていきたいと思います。
 この行事には、これまでの事例ではございますが、天皇・皇后両陛下がおいでになってございます。開催が31年度でありますので、よくわかりませんけれども、いずれこれまでは天皇・皇后両陛下がおいでになる行事でございます。私からは以上です。

(幹事社)

 この件について、何か皆さんの方から質問があればお願いいたします。

(記者)

 今のお話に関連しまして、天皇陛下が先月ビデオメッセージでお気持ちを表明されまして、生前退位への思いをにじませたわけなんですけれども、この問題についていかがお考えでしょうか。

(知事)

 私、法的な問題、あるいは憲法等の問題等々はあると思いますが、市長時代からもう既に16年ですか、色々な行事、あるいは宮中行事というだけではなくて、国体、あるいは秋田にも何回かおいでになっていますし、その度にお会いをしてございます。また、ご案内もしてございます。
 また、天皇誕生日、あるいはお正月の新年祝賀の儀、園遊会等にも度々お招きにあずかっておりますが、やはり相当その年齢から大変あの、あれだけの御公務を、かなり厳しい、おつらいと思いますけれども、本当に淡々と、そのおつらさを表面に出さずに我々にお声を掛けていただくということですけれども、やはり我々も年をとりますと、なかなか全てに対応するということはできませんし、また、そういうことからして特に天皇陛下、あるいは皇后陛下におかれましては、大変本当に常に真剣に真摯に国民に向き合って、国民に勇気を与えていただいております。
 そういうことからして、お考えについて知るよしはございませんけれども、やはり御公務については万全というんですか、しっかり御公務ができるような状態で、これを遂行するのが御自分の御希望であろうと思います。
 そういう中で、今後、高齢化に伴って必ずしも、体力的にも、かなり御無理がいくということで、やはり逆に言うと国民に対してすまないという思いがあるのかなというふうに感じます。
 あと、生前退位の問題については、これは我々がとやかく言う問題ではございませんが、憲法問題とか何とかありますけれども、心情的にはやはり摂政という手段はございますが、やはり摂政ですから代理ということで、やはりお気持ちがそういう意味では代理ではという思いがあるのではないかと思います。
 そういうことで、色々これから政府の中で十分議論を踏まえてやっていただくことになろうと思いますけれども、一般論で言えば、天皇陛下のこれまでの御労苦に鑑みまして、お気持ちを生かしていただくような方向に政府の方も、そういうことを、年をとっていきますので、余り時間をかけずに、この問題については天皇陛下のお気持ちを通していただければいいなというのは私の拙い考えでございます。

(記者)

 確認ですけれども、今の陛下のお気持ちの摂政ではと、おっしゃった部分は、摂政ではふさわしくないという意味で。

(知事)

 いや、摂政の制度ございますけれども、やはり摂政はですね、代理とは違いますけどね、やはり、天皇陛下御自身ではございませんので、それについては、色々な取り方からすると、やはり我々国民も、天皇陛下というそのやはり摂政、何となく代理みたいにとられますから、やはり天皇陛下御本人がということで、これが生前退位で今の皇太子殿下が天皇陛下になられますと、我々もやはり天皇陛下という、最高のトップの象徴との接触ということで、やはり気持ちの上でも、そちらの方が国民にとっても嬉しいというんですか、収まりがつくというか、そういうふうに思いますので、陛下も、やはり摂政と天皇陛下というのは違うというふうにとらえられているのではないかと思います。

(記者)

 ありがとうございます。

(幹事社)

 ほかに質問はありますでしょうか。なければ、幹事社質問に移ります。
 今週9日から9月議会が始まりますけれども、9月議会に関連して、先日の県政協でも出されましたけれども、新文化会館について、お聞きしたいと思います。(県・市連携文化施設の)駐車場問題ですけれども、現在検討している施設について、もうちょっと詳しくお話をしていただければと思います。

(知事)

 定例的に報告は受けていますけれども、直接的には市の方で接触をしてございます。この問題については、当然今年の春に、そのときはその話は出てませんけれども、いずれあそこで大がかりな工事が始まるということで、学校の方には、いずれお騒がせするということになろうということで、そういうそのお話をしてあったと。
 これは駐車場としての買収という話ではなくて、4月の段階では、ここ一、二年の内に工事というんですか、そういうことが、新しい計画が進むので、当然隣ですので大変お騒がせするという、儀礼的に、これあの普通の家を建てる場合も隣近所には。そうしているうちに6月に、ああいうふうにニューシティ(跡地)が駄目だと。
 そういう中で、県議会の中からも、その前からも、あの場所とは言いませんけれども、もう去年の議会等の中でも、もう少し近場で探してみたらというお話もあって、その後、市の方で接触をしたと。
 その結果、今のところは、全く否定的な話ではなくて、前の報道にもあったように、可能であれば協力もやぶさかでないという。あとは学校ですので、やはりPTA、あるいは理事会、当然もう一つは自分の持っている矢留のすぐそばの土地に移るわけですけれども、そういうときに体育館も含めて、単にそこにまた移るというのではなくて、やはり一部のスポーツ施設が、そこを使うわけですので、そういうことも含めて、しっかりした計画を作って、内部的、あるいはPTAも含めて、ご了解を得るという必要がございます。
 また、当然それに伴って、どのぐらいかかるのかという、そうしますと私どもの方も、補償交渉、当然この種のものについては、こちらからお願いするという立場はありますけれども、行政がこれを買収するとなると、一定のルール、あるいは鑑定評価、そういうものもございます。ですから、そこら辺の大体の目安、こういうものも、ある程度これから作りながら、最終的な交渉ということになろうと思います。
 ただ、そういうことで今、市の方でそういうことを詰めておるところでございまして、できれば市の方では11月ごろまでは結論を出したいということで。
 やはり、あとは、あれを活用した場合に、どういうふうに不足施設を建設するかということになりますので、当然少なくても設計の段階までは、決め、設計の段階でそういうことが決まりますと、この間の県政協議会でもお話したとおり、あそこも、隣の土地も手に入るということは、その活用の全体としてどのように使えるかという自由度が増しますので、当然そういうことで今の目論みでは、可能であれば12月に設計の計上をするとなると、それ以前に最終的な合意を両者するというところも、今、努力をしているということでございます。

(幹事社)

 そうすると、県としては、和洋高校のところに駐車場を作って、その校舎も含めて移転するという計画については、県が進めている部分については、県としても了承しているという方向で。

(知事)

 それは当然、和洋高校に折衝する段階において、これは市がやってますけれども、市が単独で我々と離れてやっているわけではございませんで、我々と相談しながら、たまたま窓口が市ということで、中身は連携をとってやっておりますので、そういうことで一部議会でも、あの場所で折衝してみたらというお話もありましたので、ただ、全体として使う場合にどういうふうなレイアウトになるのかということは、これは確実になりますと、そこら辺もうちょっと、具体的に設計の段階で最も混雑しないような仕組みづくり、これが、そういうこともこれから入りますけれども、まずはできれば11月まで、その12月の予算の上程の前に一定の結論が出ればいいなというふうに思ってます。

(幹事社)

その他、皆さんの方から質問があればお願いいたします。

(記者)

 台風10号の被害に関連してちょっとお聞きします。ご存知のとおり岩手県の方では大きな被害が出てまして、特に岩手の岩泉町の方のグループホームで多くの方が亡くなっているんですが、そこで改めてお伺いしたいのは、いわゆる避難準備情報、そして避難指示、避難勧告という自治体が出す住民に対しての避難の基準というものがあるんですが、特に避難準備情報というのが、いわゆるお年寄りの方ですとか、あるいは体の不自由な方、そういった普通の人たちよりも避難するときに時間がかかったりするような人たちに対して出されるものなんですが、そうした部分の徹底ということもできてなかったということがあって、今回のようなことが起きたかというふうに思われるんですが、秋田県内にも当然同じようなグループホームですとか、そうした施設が数多くあると思うんですが、そうした情報提供、情報発信の重要性というあたりを、改めて知事、どのようにお考えになるかをお聞かせください。

(知事)

 やはり一般の方々を含めて、やはりその避難、私も市長当時に、そういうのを出したことがありますけれど、ほとんど、今までは大丈夫だと。
 今までの経験則で判断しますので、今の災害というのは今までの経験則が通じないということもございますので、やはりそこら辺は、しっかり関係者に説明をするということと、やはり、これ一般の方から聞きますと、避難準備の指示をしても、やはり普段例えば一旦、そういう訓練をやったことがなかったり、具体的にどこに逃げればいいかという、ある程度そういうものがないと、どうしようもないという、そこら辺が、なかなか難しいんですけれども、例えば今回、今回以外にも、全市に何十万人に避難準備情報を出して、どこに行けばいいんだという。
 また、その際に、どういう行動を、勝手に個人で動けばいいのか、あるいは団体で動けばいいのか、あるいは町内会で動けばいいのか。施設なんかは全体でまとまって動くでしょうけれども、そこら辺が、まだルール的にも、あんまりしっかりしてないんです。
 ですから、特にそういう施設については、あらかじめどこに逃げるのか、あるいは、できる範囲で個別に、仰々しい訓練ではなくても、そこに行くまでどのぐらいかかるのか、あるいはどういう手法でやったら、どのぐらい時間かかるのかという、これは、やはりやっておく必要があるのではないかと思います。
 施設ですので、体の不自由な方ですと時間がかかりますので、その際に、どのぐらい全部移るに時間がかかるのか、どういう優先順位に入所者を移すのかという、そこら辺は、ほとんどやっていないと思うんです。すべてというわけにはいきませんけれども、少なくとも、土砂災害の警戒区域に近いところは、今後、市町村とともに、一回でも経験するという、あるいはそういうマニュアルを個別に作ってもらうとか、そういうことは必要ではないかと思います。
 20万人に避難準備情報ってどうするんですか、どこに逃げるっていう、逆に逃げた方が危険な場合、場所もあるし、ですから、避難準備情報の出し方もね。ただ、なかなか細かいことは、一件ずつというわけにはいきませんから、やはりエリアでやりますけれど、エリアの中では、かえって動いた方が、変な話、知事公舎のところは一番安全ですから、あそこ。あそこに逃げれば、大体のことはいいんです。
 ただ、知事公舎を除く、どっかの公園を除くという、そういう出し方は、ないんですよ。ですから、あるいはあのマンションの、あれ、水害の際は一番安全ですから、ですから、そこら辺が非常に曖昧なんです、今の出し方は。
 ただ、今言ったとおり施設は、やはり私は問題意識を持ってまして、一回ぐらいは、そういう訓練をやってもらうということも必要ではないのかなと思います。

(記者)

 関連して、一度くらいそうやった方がいいというお話というのは、いわゆる普通の我々も含めて、あるいはそのお年寄りとか体の不自由な方とかも含めた上で、そのレベルというかランクに合わせて実際にその大きな範囲で、エリアで起きたときのこと。

(知事)

 すべてというわけにはいかないでしょうけれども、例えば河川の水害の常習地帯だとか、あるいは土砂災害の危険区域の周辺だとか、常に川の水が溢れたとか、そういうところは、やはり一回やってもいいと思うんですよ、ええ。
 なかなか、いざというときに、そこまでいくとわかるでしょうけれども、何回も水が上がっても、そこで止まったという、それでもう安心してるんです、大丈夫だろうと。
 ただ、最近の雨は、前と違って、我々の想定する以上に降りますから、やはり一定の地域、全部というよりも、ある程度の市町村なら市町村で、この地域は危ないなと思ったところはまず少なくとも少しずつやっていくということがこういうことを防ぐ一つの要素ではないかと思います。

(記者)

 新潟県の泉田知事が報道等を理由として四選出馬を撤回ということになったんですが、これについて知事の受け止めをお願いします。

(知事)

 大変あの人は優秀な方で、ただ、原発の問題でちょっと政府と折り合いが、ついてないということもありますけれども、マスコミの報道との関係でというのは、やはり、人のことですので、あまりああだこうだ私が言う立場にございませんけれども、ちょっと理由は違うのかなと。現実の問題として長岡市長の森さん、私の後の市長会の会長です。
 私のときに副会長ということで、あの方が私が会長を辞めて、知事選挙に出るということで、あの方が副会長にということで、あの当時、私が推薦したんですよ。この方でいいんじゃないかと。今、何となく聞こえてくるのは、かつての泉田さんの与党の、自民、公明も含めて、何となくその底辺では長岡市の森さんの、何となくそのプッシュがあったということで、やはりそこら辺の政治的なスタンスの流れ、支持母体の変動ということもあるのではないのかなと。
 これはまあ定かでありませんけれども。片方の森さんは国土交通省の出身ですから、大変長岡地震も、非常に色々な面で先頭に立って活躍された方で、非常に穏やかな方ですので、そこら辺の政治三期の間に、今四期目ですけれども、政治的なバックボーンが、少し異なってきた、そこら辺にあるのかなという、うがった見方をすると・・・。

(記者)

 第三セクターの由利高原鉄道で赤字額を少なくして報告してあったということで先日会見が開かれたのですけれども、まず由利本荘市と秋田県で毎年8千万円程度の赤字額補填をしているかと思うのですけれども、この件に関して知事の所感を伺えればと思います。

(知事)

 社長さんが非常に色々な面でアイデアを出して、様々な努力をしてますので、その点から言うと、ああいう決算操作というのは非常に残念です。
 確かになるべく赤字幅を抑えたいという気持ちはわかりますけれども、これいずれ、それを繰り越ししたからなくなるわけではないですから、いつか出てきますので、そういう意味からすると、逆に言いますと、県や市に補助金を、ある程度プラスさせるのが申し訳ないという気持ちはあったかもしれませんけれども、赤字は消えるわけではございませんので、やはりそこの点は大変残念だと思います。
 まあ本当に一生懸命やってもらっていますので、そこまで隠す必要は、これ、我々も責任ございますけれども、つまびらかに、別にその赤字があったからといって、その除雪なんていうのは、これ、社長の責任ではないですから、やはりそういう場合に除雪に嵩むときはありますから、そういう場合は、これあの、例えば社長の個人的な責任で。
 これはちょっと別ですけれども、ああいう問題について、これ誰が社長やろうとも除雪経費はかかりますから、隠さずに正直に言っていただければ、我々も由利本荘市とともに考えたわけですので、本当にそういう意味で、あの点については大変残念だと思います。

(記者)

 そうしますと、社長の辞任を求めるとか、そういう責任追求は、県としてはしないということで。

(知事)

 今のところ非常に反省もされておりますので、株主の皆さんとのあれですけれども、今のところ、いきなり辞任を求めるというところまではいかないのかなと。
 なかなか、実際には、高い給料ではないし、なかなか得難い人物ではあります。ただ、逆にだからこそ、県に迷惑をかけたらという心情が働いたと思いますけれども、これはいくらそういう心情が働いたとしても、これ、隠すことは駄目ですから、その点については十分反省していただくということでありますが、今のところ直ちに辞任というところまでは私も考えていません。

(幹事社)

 あとはよろしいでしょうか。よろしければ、ここで会見の方を終わりたいと思います。

(知事)

 はい、どうも。

(幹事社)

 なお、知事発表事項について改めて質疑がある方は、担当の方から説明があるとのことですので、よろしくお願いいたします。

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