秋田県森林審議会議事録
 
1 開催日時 平成16年12月16日(木)午後1時30分から3時30分
2 開催場所 秋田市山王四丁目「みずほ苑」3階「紫苑の間」
3 出 席 者 敬称略 
  (委 員) 阿部勝行、蝦名萬智子、栗生澤節、佐藤公一、鈴木誠一、高橋一郎、
       高樋さち子、田口恵子、那須チカ子、増渕陽子、渡辺妙子
  (事務局) 竹村農林水産部長、清水森林技監、原田参事、佐々木秋田スギ振興課長、
       佐々木森林整備課長、近藤森林環境対策室長
 
4 議  事 
 
司会    :議長の選出についてですが、森林審議会規程第2条により、「会長が議長
       となる。」ことになっておりますので、阿部会長に議事の運営をお願いし
       ます。
 
阿部議長  :議事に入る前に委員の出席数を報告します。本審議会委員14名のうち本
       日は11名の出席で過半数に達していることから、森林審議会規程第3条
       により、この審議会は成立いたします。
       議事録署名委員は高橋委員と田口委員にお願いします。
       次に議案の審議に入ります。
       なお、議案第1号「雄物川地域森林計画(案)について」、議案第2号「米
       代川地域森林計画変更計画(案)について」、議案第3号「子吉川地域森
       林計画変更計画(案)について」は関連がありますので、一括して審議い
       たします。事務局から説明をお願いします。
 
事務局   :(森林環境対策室長が説明)
 
阿部議長  :ただいま事務局から説明がありましたが、これについてご意見、ご質問が
       ありましたら発言をお願いします。
 
那須委員  :木材を搬出するのための林道を開設していますが、伐採等整備が終わった
       ら元の森林の状態に戻すのでしょうか。
       また木製型枠パネルを使用したダム工の写真が掲載されていますが、この
       ダムは木材だけで作ったダムなのでしょうか。
 
事務局   :一定の規格構造を有する林道は台帳に登載され半永久的に維持管理されて
       いくものであります。伐採された後も森林の循環利用という観点から植林
       等を行っていくため、元の森林の状態に戻すことはありません。ただし部
 
       分的には作業道といったもののように元の森林の状態に戻すものもありま
       す。ダム工の写真については、型枠だけが木製であります。この他にも規
       模は小さいものの、全部が木製のダムもあります。写真にあるダムの内部
       はコンクリートです。
 
高橋委員  :資料にあるスギ人工林の齢級別資源構成の意味について説明していただき
       たいと思います。8齢級までが約80%を占めているといった話がありま
       したが、間伐が進めば面積が少なくなっていくのではないでしょうか。グ
       ラフのイメージするところは何なのかを説明していただきたい。雄物川計
       画区のスギ人工林は全体的に若い木が多いということなのでしょうか。
 
事務局   :まず、齢級についてですが、1から5年生のものを1齢級、6から10年
       生のものを2齢級と呼んでおり、5年刻みの幅を持ったものです。
       間伐の対象齢級を県では4〜9齢級としており、これから手をかけなけれ
       ばならない森林が多いといった意味です。この状態は5年後には9齢級が
       ピークといった形にスライドしていきます。
       それから、間伐した場合は、本数が減るだけであり、面積が減っていくよ
       うなことはありません。皆伐であれば面積は当然減ります。
 
栗生澤委員 :説明資料の中にある数字の確認をしたいのですが。伐採立木材積について、
       針葉樹が288万5千立方とありますが、これは雄物川流域分なのか、あ
       るいは秋田県全体の量なのでしょうか。
 
事務局   :雄物川計画区10年間分のトータル数量です。
 
栗生澤委員 :年間の数量は、単純に10で割ればよいのでしょうか。
 
事務局   :基本的にはそうです。
       ただし、掲載しているものは立木の材積であり、素材の材積ではありませ
       ん。県ではスギは0.6をかけた数値を立木に対する素材の材積としており
       ます。
 
阿部議長  :他にございませんか。ないようですので、議案第1号、第2号、第3号に
       ついては適当と認め、その旨を知事に答申することとしてよいでしょうか。
 
委員    :異議ない旨の発言。
 
阿部議長  :それでは、議案第1号、第2号、第3号について適当である旨の答申をす
       ることに決定いたします。  
 
       次に議案第4号「林地開発許可(案)について」審議いたします。事務局
       から説明をお願いします。
 
事務局   :(森林整備課長が説明)
       1ページ目計画概要「資金調達」の借入金、補助金の金額に誤りのあるこ
       とを訂正。スーパーL資金の記載が10,000,000千円とあるが1,000,000千
       円である旨説明。
 
阿部議長  :ただいま事務局から説明がありましたが、これについてご意見、ご質問が
       ありましたらご発言をお願いします。
 
那須委員  :この養豚場の建設は県外資本によるものなのでしょうか。
 
事務局   :県内の業者ですがバックアップに県外の業者が付く形です。養豚を営むの
       は森吉町の人です。
 
那須委員  :審査調書にある水の確保に関する基準が「適」となっています。水源かん
       養保安林の近くでの開発ですが、定期的に水の検査は実施するのものなの
       でしょうか。
 
事務局   :2ヶ月に1回、保健所が定期的に検査を実施します。
 
栗生澤委員 :資金調達の欄に借入金・補助金が記載されています。前に聞いた話では大
       手の会社が資金面でバックアップするとの計画でありましたが、仮にいろ
       いろな経済変動の中で造成して、事業が確実に進んでいくか心配ですが、
       どうお考えでしょうか。
 
事務局   :林地開発は造成について確認を行うもので、この申請箇所は造成費の資金
       確保がなされております。それが無いと開発許可は出せないという判断に
       なります。この会社は全国チェーンであり、岩手県にも養豚場を持ってい
       ます。施設的なものでは会社がかなりバックアップすることとなっており
       ます。新しい事業を展開する訳でもなく、これまでも実績のある会社であ
       りますので、心配は無いと考えております。
 
栗生澤委員 :開発後に林地がある意味で生かされる担保が必要ではないでしょうか。
 
事務局   :開発の許可をして終わりではなく、その後確認する行為等があります。
 
蝦名委員  :最終的なし尿処理の件ですが、何とか方法がないかなと思うのですが、秋
       田県の認定リサイクル製品への適用等はどうなのでしょうか。
事務局   :糞のたい肥化は循環利用ということで地元の業者が実施する方向で検討し
       ております。し尿は現時点では浄化処理し、放流する計画です。
 
蝦名委員  :放流するのは、米代川ですね。
 
事務局   :惣内川へ放流し、阿仁川に入ります。
       基準のチェックは定めております。
       実質、一次処理、二次処理を行い基準が守られているのを確認して放流す
       ることとなります。岩手県の方へ地元の人々が行って視察し基準が守られ
       ているのを見てきた結果、大丈夫だということで話が進んでおります。
 
蝦名委員  :2ヶ月に1回の検査実施をどうかよろしくお願いします。
 
事務局   :会社側が自主的にできることでもありますが、漁協さんもありますし、ま
       た農業用水にも使われることから、保健所のデータを公表する形でやって
       いくこととなっております。
 
栗生澤委員 :し尿を放流する場合の守られるべき基準のデータを教えてください。
 
事務局   :二次処理までして、1リットルあたりBOD30ミリグラム以下。SS1
       0ミリグラム以下。N100ミリグラム以下、P8ミリグラム以下、ph
       5.8〜8.6,大腸菌3,000個以下。当然これ以下でなければなら
       ないと定めています。保健所はこれを基にチエックします。
 
増渕委員  :2つ質問があります。
       一つは米代川計画の変更の概要欄にある林道計画の変更で惣内線があるが
       関連があるのでしょうかといった点、もう一つは広大な地域を開発するに
       あたって生物資源に対する影響をチェックしたかという点です。
 
事務局   :一つ目の質問について。羽立線と惣内線の2路線が入っています。その内
       惣内線を拡幅する計画が管理者である町にあります。結論として関連はあ
       るということです。
       二つ目の質問ですが、環境アセスメントの必要性については国のものには
       面積が大規模ではないので該当はしません。一方県のものについても放流
       量が1,000m3を超える場合該当しますが、今回の養豚場は最大で4
       00m3となっており、該当はしません。
 
増渕委員  :状況が分かりました。ありがとうございます。
 
 
鈴木委員  :森林率について、この開発行為が該当するのはどの区分に該当するのでし
       ょうか。
 
事務局   :25%以上の工場事業所等に該当します。
       今回の場合45.5%の森林率となり、クリアーしております。
       11,5701ha / 25,4130haでの算出結果です。
 
高樋委員  :先程、県の環境アセスメントに掛けてないとありましたが。
 
事務局   :はい。該当しません。
 
高樋委員  :環境アセスメントに掛けたとすれば情報公開が必要だと思います。掛けて
       ないにしろ、周辺住民の方々への説明責任はどうお考えでしょうか。地域
       住民への説明会はもう既に終わったのでしょうか。
 
事務局   :計画が上がっているわけですから、当然地元からの同意が得られてないと
       ここまで進むことはありません。また地元議会への説明も終わっておりま
       す。地元の住民が岩手県に行って状況を見てきており、納得していただい
       た結果をもって計画に至っていると聞いております。
 
高樋委員  :全員が賛成したのでしょうか。
 
事務局   :はい。下流部集落の全員が開発地の地権者となっており、全員の土地売買
       契約が出来ています。土地代等については、林地開発許可がなされたら支
       払われることとなっております。
 
高樋委員  :環境アセスをしたかしないか今後大変問題となることがあるか思いますの
       で、その点地域住民に限らず情報公開する必要があると思います。
 
田口委員  :悪臭の発生は少ないとあるが、それは一般的な話であって夏場や風向きに
       よって状況は変わり心配に思うのですが。
 
事務局   :確かに汚水と臭いは気になる事と思います。
       たい肥は臭いとのイメージが強いものです。
       糞尿におが屑を混ぜて攪拌しながら行うのですが、比較的発酵過程が早く
       臭いは出ますが置きっぱなしの臭いを出すものではないと解釈しておりま
       す。
       地元の人々も当然その点は心配で、実際岩手県にある建設済の牧場まで行
       ってどんなものかを確かめております。視察した地元の人々は思った程で
       はないとの話をして納得しているそうです。
       実際1.6kmの距離があり、風の向きが変わっても臭いが届くことはな
       いと考えております。
 
阿部議長  :意見が出尽くしたようなのでこの辺で議案第4号について、適当である旨
       答申することでいかがでしょうか。
 
委員    :異議ない旨の発言。
 
阿部議長  :ではこの議案第4号について、適当である旨答申することといたします。
       それでは、この議案に供した答申文の作成については、会長に一任してい
       ただいてよいでしょうか。
 
委員    :異議ない旨の発言。
 
阿部議長  :それでは、答申文の作成は会長に一任していただくことに決定いたします。