青年海外協力隊H25年度4次隊の後藤奈津美さんからレポートが届きました。

私は青年海外協力隊平成25年度4次隊 看護師隊員としてバングラデシュに派遣されております後藤奈津美と申します。バングラデシュに来てあっという間に9か月が経過しました。これから、バングラデシュの文化や任地での生活、看護師としての活動などお話していけたらと思っています。今回は主にバングラデシュという国がどんな国なのかお話しします。

バングラデシュは南アジアに位置する国で北海道の約2倍の面積に1億6000万人程の人々が暮らしており、人口密度が高い国としても知られています。具体的にこの国が南アジアのどの辺に位置しているか想像がつく人は少ないのではないかと思います。バングラデシュの隣にはインドとミャンマーがあります。インドの東側にある小さな国がバングラデシュと言ったら想像がつくでしょうか?実際、私の任地もインドの国境と接していて、国境まで約10Kmという場所で生活しています。

バングラデシュの近代の歴史を見ると、18世紀頃から1947年まではイギリスの植民地でした。1947年にインドを中心に東側にある現バングラデシュを東パキスタン、西側にある現パキスタンを西パキスタンとし、分離独立します。インドを挟む東西の国を併せてパキスタンという国が誕生したのです。しかし、その後のパキスタンの実権は西パキスタンが握ることとなります。また、東西のパキスタンは1つの国でありながらも各々違う言語を使用していましたが、西パキスタンで使用している言葉を公用語に統一しようとする動きが高まります。それに反発したベンガル人たちがベンガル語国語化運動を起こし、その運動がバングラデシュ独立への第一歩となったのです。そうして、1971年、バングラデシュという国が誕生しました。

日本は春夏秋冬、四季折々の風景や行事などを楽しむことができますが、ここバングラデシュの風景は1年を通して代わり映えがありません。季節は大きく乾季・暑季・雨季に分かれています。乾季はちょうど今頃、11月~2月頃までで、日本の秋といった感じです。雪はふりませんが朝は霧が広がり、日が照るのは昼頃からです。特に朝・夕は冷え込みも強く厚手のふとんが必須です。暑季は3月~5月で気温は連日40度近くに達します。湿度も高く、これまで日本でしか生活したことのない私にとって非常に生活しづらい季節でもあります。雨季は最も長く、6月~10月まで続きます。湿度はさらに増し、不快指数も上昇しますが、雨季と言っても1日中雨が降ることは稀です。大抵、スコールが降ります。30分もすればおさまることがほとんどですので、雨が降り出したら、道端の茶ドカンと呼ばれる紅茶屋でお茶を飲み天気の回復を待ちます。

食事は主にトルカリと言われる野菜や肉、魚をたくさんのスパイスで煮込んだものを食べます。イメージするなら味はカレーに近いと思いますが非常に辛いです。山盛りのご飯と、このトルカリを手で混ぜて食べます。ほとんどのベンガル人たちは毎日、毎食、このトルカリを食べます。主食(トルカリ)と、ダルーという豆を潰して作ったスープが定番のメニューです。また、他にはシンガラというジャガイモを小麦の皮で包み、油で揚げたものやミスティーと呼ばれる甘いお菓子があります。ミスティーには大量の砂糖が使用されているほか、一度油で揚げてからシロップにつけるものもあります。私は未だに、このミスティーは甘すぎて食べることができません。そんな訳で、多くのベンガル人は歳を重ねるとメタボ体系になっていきます。地方でも生活習慣病が大きな問題になっているようです。

日本との違いがたくさんあって今なお驚くこともあります。そんな違いにわくわくして毎日生活しています。日本から近いようであまりよく知られていないバングラデシュですが、これを機に少しでもバングラデシュのことを知ってもらえたら嬉しいです!

画像:首都ダッカ
(首都ダッカの街並み)
画像:トルカリ
(バングラデシュ料理 トルカリ)
画像:任地シャトキラ中心部のバス
(任地シャトキラ中心部)
画像:任地シャトキラの地方
(任地シャトキラの地方)

(2014年12月)