研究報告第20号概要

2015年01月07日 | コンテンツ番号 9152

秋田県果樹試験場研究報告(1989)第20号 1-14

リンゴ‘千秋’の品質向上に関する研究

久米靖穂・佐藤勝安

摘要

 千秋の品質向上に関して1981年から1988年までの8年間、受光量、花芽、摘果時期、着果量、摘葉時期、結果枝の種類と果実品質、衰弱樹の樹勢回復対策について検討した。

  1. 遮光時期、光の強さは花芽形成、果実品質、新梢長、新梢の肥大に影響した。遮光時期では処理が早いはど花芽分化率は低く、70%遮光では10%台で特に低かった。新梢長と新梢の肥大は7月遮光の70%遮光が最も抑制されていた。果実品質では9月遮光が等級を最も低下させた。
  2. 花芽が大きいほど収穫時の果実は大きく、樹冠外側ではr=0.931(1%で有意)樹冠内側ではr=0.847(1%で有意)と高い相関関係がえられた。果実品質では果実が大きいほど糖度(Brix)が高い傾向が認められた。
  3. 摘果時期は早いほど果実は大きく‘秀’の割合も高かった。着果量は5頂芽1果で、1果当り葉数は60枚以上は必要である。摘果の際の幼果の選択は、肩のはった果実を残すことが品質向上につながる。
  4. 千秋は樹勢が安定してくると短果枝型となり結果枝の着生は東光に似ていた。
  5. 摘葉時期の早晩は果実の等級、糖度(Brix)に影響したが、秋田県南部における適期は9月初めであった。
  6. わい性台樹の衰弱樹に対する対策としては、過剰着果をさけ、盛土、寄せつぎを実施することによって3年で樹勢回復がはかられた。

秋田県果樹試験場研究報告(1989)第20号 15‐26

秋田県におけるリンゴの花芽分化期

鈴木 宏・佐藤 廣・上田仁悦・丹野貞男

摘要

  1. リンゴ品種つがる、千秋、ふじ、陸奥、王林、ジョナゴールド、ゴールデンデリシャス(マルバ台)、ふじ(M.26台)について、1981~1986年の間にそれぞれ2~6年に花芽分化期の調査を行った。
  2. 花芽分化期は早い年は6月下句から9月上旬まで行われ、最盛期は7月下旬から8月中旬までのようである。
  3. 各品種間の花芽分化の違いはあるものの、明らかな差は認められなかった。
  4. 花芽分化の最盛期は7月下旬の年間の最も温度の高い時である。

秋田県果樹試験場研究報告(1989)第20号 27‐32

リンゴの早期落果に及ぼすジベレリンA4散布の影響

近藤 悟

GA4 100ppm溶液の散布がリンゴ‘スターキング・デリシャス’の早期落果に及ぼす影響について検討した。

  1. 6月7日(満開19日後)1回散布区、6月7日及び21日の2回散布区を設け、早期落果を誘発させるために6月8日(満開20日後)~6月16日の8日間遮光処理を行ったが、落果率は両区とも無散布区の30%以下に抑制された。同様に6月15日(満開27日後)1回散布区、6月15日および6月30日の2回散布区を設け、6月17日(満開29日後)~26日の10日間遮光処理を行ったところ、両散布区と落果率は無散布区の5%以下に減少し、GA4散布の早期落果防止効果が確認された。
  2. GA4散布果では無散布果に比べて果重が増加し、L/D比も増加した。果実品質については硬度やリンゴ酸含量及びミツ入り状況などから、ジベレリン散布は成熟を促進すると考えられた。