研究報告第14号概要

2015年01月07日 | コンテンツ番号 9146

秋田県果樹試験場研究報告(1982) 第14号 1-17

ふじの無袋栽培に関する研究
第1報 各種管理作業と果実品質向上の関係

久米 靖穂・工藤 哲男

摘要

ふじの無袋栽培技術を確立するため、1976年から1980年までの5年間、とくに品質向上のための受光量、摘果時期、着黒量、葉つみの時期について検討した。

  1. 有袋果に比較して無袋果は屈折計示度が高くて食味はよく、アントシアニン濃度が高かった。
  2. 受光量はfullsunの50%を樹冠内にいれる整枝せん定が必要であった。10a当りの樹冠占有率は60%程度がよく、Sun Patch、Sun fleckが1樹冠占有率の10~15%程度入っている状態が良好であった。
  3. 中果枝(5.1~10.0cm)に結実した果実が最も品質がすぐれていた。
  4. 摘果は早期に行ったほうがよく、5頂芽1果、1果当り葉数75枚程度が基準となった。花つみは果実の大きさ、隔年結果の防止に効果が大きかった。
  5. 葉つみは9月中旬ころから行った方が果実の着色は向上し、労力的にもらくであった。

秋田県果樹試験場研究報告(1982) 第14号 19-28

リンゴ腐らん病に関する研究
第1報 樹体付傷部の感染時期

水野 昇・熊谷 征文

摘要

リンゴ腐らん病の主要な発病部位であるせん定痕及び果台の付傷部から、本病菌が感染する時期を明らかにするため試験を実施した。
結果は次のとおりであった。

  1. リンゴ腐らん病菌含菌寒天接種による月別せん定痕の感染可能期間の長さは次の順位であった。
    11月(195日)>12月(149日)>1月(113日)>2月(85日)>3月(47日)=10月>4月(25日)>5月(22日)=9月>6月(14日)=8月>7月(9日)。
  2. 自然感染及び柄胞子接種による時期別せん定痕の発病率は、11月から翌年1月にかけて高かった。
  3. 収穫時付傷した果台部の感染可能期間は、品種によって異なったが、一般に中晩生種でその期間が長く収穫後翌年3月から4月まで感染が可能であった。一方摘果時付傷した果台は2週間から1カ月以内に感染が不能になった。
  4. 収穫時に果梗を果台へ残して採果すると、果梗が残存しない果台に比べ感染可能期間が長くなると共に、自然発病率も高かった。
  5. 以上の結果から発病に結びつく主要な付傷時期はせん定痕及び果台とも11月を中心とする10月から翌年3月下旬までと思われ、付傷直後から5月下旬までが、これら付傷部での感染時期にあたると考えられる。