虫を使った害虫防除-天敵農薬-

2015年01月07日 | コンテンツ番号 9134

虫を使った害虫防除 -天敵農薬-

天敵ってなんだろう?

農作物には、葉や果実を食べる害虫が数多く存在します。
それに対して、害虫を食べるなどして駆除してくれる虫のことを、天敵と呼びます。
花木や野菜につく害虫のアブラムシ類を食べるテントウムシや、ガなどを捕まえるクモなどが代表的な天敵です。また、害虫を食べる鳥も広く見れば天敵と言えます。
このような天敵類を利用した害虫防除の方法が、現在研究されています。

天敵を使った害虫防除の例

野菜や果樹の葉から栄養を吸い取って被害を与えるものにハダニ類があげられます。作物によって、寄生するハダニの種類は違いますが、主なものとしてはナミハダニ、リンゴハダニなどがあります。ハダニは大量に発生すると、作物が衰弱してしまいます。
これらのハダニ類は薬剤抵抗性(これまで効果のあった農薬が効かなくなること)がつきやすいため、できるだけ薬剤をかけないで防除する方法が研究されています。
その中の一つが天敵類を使った防除方法です。
ハダニ類の天敵類は、カメムシの仲間やアザミウマの仲間などの昆虫類、クモ類、菌類などたくさんの種類がありますが、最も研究が進んでいるのは、カブリダニ類というダニの種類です。カブリダニは作物には悪い影響を与えず、ハダニを食べてくれます。
カブリダニを使ったハダニ防除の方法は、畑や果樹園にカブリダニを大量に放して、ハダニを食べさせます。
現在は、ビニールハウスや温室などで、チリカブリダニという種類が天敵農薬として利用されています。まだすべてのハダニ防除に使えるわけではありませんが、近い将来広く使える技術ができるでしょう。

ハダニだけでなく、天敵を利用した害虫防除の研究は、広く進められています。これからは天敵の利用に加えて、前の項で述べたフェロモン剤の利用が増えてくるでしょう。これらの防除方法は、安全で安心な農業のために重要な技術になるでしょう。

画像:ミヤコカブリダニ 写真:天敵製剤
カブリダニを使ったハダニ防除
(左:ハダニ(中央、黒い個体)を食べるミヤコカブリダニ(左上と下、黄色い個体)
   右:カブリダニをリンゴの木に放しているところ)