リンゴの王様「ふじ」の誕生

2015年01月07日 | コンテンツ番号 9133

今では果物の代名詞といってもいいりんごですが、日本では昔からりんごの栽培が行われてはいませんでした。

現在みなさんが食べているりんごの原型は、コーカサス地方などに自生していた植物です。それをヨーロッパで改良を重ねながら古い品種が作られました。
そして日本には、それらの品種が明治時代にアメリカから導入され、栽培が始まりました。
そのときに日本人の目に触れたりんごのなかに、‘ロールスジャネット’と‘ジョナサン’という品種がありました。これらはそれぞれ‘国光’と‘紅玉’という日本名が付けられ、その後100年にわたって日本のりんごの基幹品種となりました。
それでは現在最も良く目にする品種である‘ふじ’はどのようにして誕生したのでしょうか?。
‘ふじ’という品種は、農林水産省が昭和14年に‘国光’を母親に、‘デリシャス’を父親にして作った種子から育成したもので、昭和37年に命名登録された純国産の品種です。
‘ふじ’は、命名から40年以上がたちますが、その甘さと多汁さ、みつ入りの多さや日持ちの良さなどから、現在も生産量は増加傾向にあり、日本のりんご生産量の6割以上を占めています。
この品質の高さは海外にも注目され、アメリカやヨーロッパなど世界各地で‘ふじ’が栽培されています。
いまや‘ふじ’という名前は世界に通用するものになっているのです。
さて、この‘ふじ’という名前にはどういった由来があるのでしょうか?
この名前は、交配が行われた場所である農林水産省園芸試験場東北支場のあった青森県藤崎町の「藤」という文字に由来します。それに加えて日本の象徴である「富士山」をイメージさせることが決定要因になったそうです。
なお、‘ふじ’の原木は盛岡市にある独立行政法人農業技術研究機構果樹研究所リンゴ研究部のほ場に植えられ、いまも現役として果実をつけています。
また、‘ふじ’は新品種育成の際の親品種としても活躍中で、最近の国産品種にはその血を引くものが多く、そういった意味でも今後も日本のりんごの主役として活躍していくのでしょう。

‘ふじ’の子供たち

画像:シナノスイート
シナノスイート
(ふじ×つがる)
画像:きたろう
きたろう
(ふじ×はつあき)
画像:ほおずり
ほおずり
(ふじ×紅玉)
画像:こうたろう
こうたろう
(ふじ×はつあき)