りんごのみつ入り

2015年01月07日 | コンテンツ番号 9129

「みつ入りリンゴ」の秘密 ~リンゴの「みつ」はなぜできる?~

リンゴを割ると、芯の部分に「みつ」がたまっていることがあります。
みつ入りリンゴといえば、おいしいリンゴの証拠として知られていますが、この「みつ入り」はどうして起きるのか知っていますか?

「みつ入り」しやすい品種としにくい品種

リンゴには、みつ症状の発生しやすい品種とそうでない品種があります。
‘ふじ’や、‘スターキング・デリシャス’などの品種では発生しやすく、‘つがる’、‘王林’などの品種ではほとんど発生しません。
しかし、みつ症状の発生しにくい‘つがる’や‘王林’でも、収穫時期の気温が平年より極端に高い年にはみつが発生することがあります。また、逆に発生しやすい品種でも、収穫が早すぎたり、収穫時期の気温が平年より高い年にはみつが発生しづらくなります。「みつ入り」はリンゴの果実の生理現象のひとつです。
リンゴは、光合成により葉でつくられた養分を、ソルビトールという糖の形にして果実まで輸送します。

「みつ」はどうしてできるの?

「みつ入り」はリンゴの果実の生理現象のひとつです。
リンゴは、光合成により葉でつくられた養分を、ソルビトールという糖の形にして果実まで輸送します。
果実の中ではこのソルビトールを、ブドウ糖や果糖に変え、細胞の中に蓄えます。
しかし、何かの原因で、ソルビトールから他の糖への変換ができなくなり、ソルビトールのまま果実の中にたまってしまうと、「みつ入り」が起こるとされています。
ソルビトールは、細胞の中に留まることができずに、細胞と細胞の間にも浸み出し、そこに水分を集めるため、あの果肉に水が浸みたようなの「みつ」の症状が起こるといわれています。
みつ入りが起こるためには、果実が成熟することに加えて、気温が低くなるなどの気象条件が整うことも必要です。
なお、収穫したときに「みつ」が入っていた果実でも、長期間貯蔵していると「みつ」が消えていくことがあります。
これは、貯蔵されている間にソルビトールが果糖などに変わることが原因です。

みつ入りは完熟果実の証拠?

みつ入りの多少は、収穫時期の気象条件にも大きく影響されるため、単純に「みつ入り=完熟」とは言い切れません。逆に、充分完熟させた‘ふじ’でも、みつ入りがほとんどないこともあるのです。
ただ、みつ入りは、完熟するまで樹上に成らせていた(=みつ入りが起こりやすい気象条件が整うまで樹上にあった)ことの証明と見ることもできます。
みつ入りリンゴの代表である‘ふじ’の収穫期は、11月上~中旬です。たっぷり「みつ」の入った、完熟した果実をぜひ味わってください。

画像:みつ入りする品種「ふじ」
「みつ入り」の代表品種:「ふじ」
画像:みつ入りしない品種「王林」
完熟しても「みつ入り」しない品種:「王林」