秋田県沿岸で ハタハタ1歳魚 (2013年春生まれ) を標識放流しました!

2014年04月24日 | コンテンツ番号 8328

秋田県沿岸で産卵するハタハタは、これまでの標識放流調査などから、能登半島周辺から青森県沿岸までを回遊範囲とする一つの群れと考えられてきました。しかし、ハタハタの形態や遺伝子などに基づく調査では、これらの群れは隠岐島周辺(鳥取県沖)まで広く回遊している可能性も指摘されています。また、秋田県による資源調査の結果、1歳魚はその一部しか成熟せず、群れの大多数は秋田県沿岸に帰ってくることなく、日本海のどこかに留まっていると考えられます。それでは、大多数の1歳魚はどこまで回遊しているのでしょうか?

秋田県をはじめとする日本海沿岸では、4月頃に水深150~200mの海域に前年生まれの未成魚が大きな群れを形成することが分かっています。この1歳魚に標識をつけて移動を追跡すれば、より広い範囲の回遊実態が分かるかもしれません。
しかし、体長10cmもない小型のハタハタに標識をつけて、無事育ってくれるでしょうか?
そこで、水産振興センターでは男鹿水族館GAOと共同で予備試験を行いました。飼育されていた体長約7cmのハタハタ未成魚に幅3mm、長さ4cmと小さい標識(リボンタグ)を着けたところ、標識は数カ月にわたって脱落することなく、またハタハタを死なせることもないことが分かりました。
しかし、天然のハタハタに標識をつけるには、水深150mもの深場にいる小さなハタハタを捕まえなくてはなりません。ハタハタに与えるダメージをできるだけ小さくするため、標識を行う時期は、1歳魚が単独で群れをつくり、生息水深と海面の水温差の小さい4月としました。採集は秋田県の漁業調査指導船千秋丸(99トン)で行い、捕まえたハタハタにできる限り速やかに標識を着け放流するため、様々な工夫を凝らしました。

写真:標識放流の様子1
男鹿水族館GAOでの標識試験(2013年11月)

その結果、2014年4月17、18日の2日間で約2,900尾のハタハタ1歳魚に標識を着けることに成功しました。今後は、標識を着けたハタハタが日本海のどこかで再捕され、水産振興センターに連絡が来るのを待つのみです。再捕の情報が多く寄せられ、ハタハタの生態解明が進むことを願っています。
最後に、ハタハタの標識飼育にご協力いただいた男鹿水族館GAOの皆様に深くお礼申し上げます。

写真:標識放流の様子2
水族館の水槽内を泳ぐ標識ハタハタ(体長約7cm)
写真:標識放流の様子3
千秋丸での標識作業(水が冷たい!!)
写真:標識放流の様子4
標識をつけたハタハタ1歳魚(体長約9cm)
写真:標識放流の様子5
放流直後の標識ハタハタ