ぐるっと森吉山

 「水の郷100選」に選ばれた北秋田市の旧森吉町と、マタギの里・旧阿仁町にまたがる森吉山(1,454m)周辺は、深い侵食谷を形成し、人を寄せ付けない岸壁と滝が連続する険しい山峡である。かつては、秋田県最後の秘境と言われた。

 ノロ川流域のブナ原生林では、昭和51年から3年連続してクマゲラの繁殖が確認され、クマゲラの森として保護されている。この穏やかなノロ川周辺は、夏山冬里方式の赤牛(褐毛和種)の放牧として、およそ20年の歴史を刻んできたノロ川牧場がある。当初は600頭以上が放牧され、赤牛生産の拠点として機能していたが、牛肉の自由化や後継者不足によって200頭を割るところまで低迷していた。

 この放牧場431ha(草地263ha)の広大な面積と周辺のブナ原生林を活かすべく、平成10年には、第12回日本ジャンボリーが開催された。これを契機に、自然と人間が触れ合う場として位置付けられている。

 「ぐるっと森吉山、改訂版」(宮野貞壽著、秋田魁新報社、2000円、購入希望の方は秋田魁新報社出版案内へ)は、森吉山周辺の自然、山野草、滝など、険しい山峡を源流部まで徹底的に探査し、原生郷の秘めたる魅力を美しい写真を中心に紹介している。全コースを徹底的に歩いて調査したガイドブックだけに、この周辺を歩く場合は、リュックの中に一緒に背負いたい一冊である。

写真:ぐるっと森吉山写真集の表紙

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写真:森吉山

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