2013年3月.日本家禽学会春季大会 コレシストキニンA受容体遺伝子の一塩基多型が比内鶏の体重に及ぼす影響

2014年02月05日 | コンテンツ番号 7861

力丸宗弘1,4・武田尚人2・上本吉伸3・小松恵1・高橋大希1・鈴木啓一4・高橋秀彰2
(1秋田畜試・2畜草研・3家畜改良センター・4東北大学大学院農学研究科)

目的

「比内地鶏」生産に活用している秋田県畜産試験場(以下、秋田畜試)の比内鶏系統は、比内鶏保存会(以下、保存会)系統から分離し、発育形質の改良を目的として閉鎖群育種による選抜が行われてきた。我々は、これまでに、発育が異なる比内鶏系統個体を交配し、作出したF2家系において、コレシストキニンA受容体遺伝子(以下、CCKAR)の5'-非翻訳領域の特定部位における一塩基多型(SNP、AまたはC)とF2個体の発育形質との間に、有意な関連性が認められ、AアリルはCアリルよりも優れていることを報告した。そこで、本研究では、発育形質との関連性が示唆される同SNPと秋田畜試と保存会の比内鶏種鶏群における体重との関連性の有無を調査した。

方法

材料には、平成23年度にふ化した秋田畜試の比内鶏507個体、保存会の比内鶏178個体を用いた。28日齢までバタリー育雛器で飼育し、28日齢以降育雛ケージで飼育した。飼育期間中、水と飼料は自由摂取とし、98日齢に体重測定を行った。各個体のゲノムDNAは、血液からフェノール抽出法によって得た。同SNPの検出には、ミスマッチ増幅変異アッセイ法を用いた。各種鶏群におけるAおよびCアリル頻度は、遺伝子型から算出した。

結果

秋田畜試と保存会種鶏群における98日齢体重は、それぞれ、2023.9g、1199.4gと秋田畜試種鶏群が有意(P < 0.01)に重かった。また、同SNPの遺伝子型AAの出現頻度は、それぞれ0.781、0.017、Aアリルの出現頻度は、0.889と0.124であった。SNPのアリル頻度の違いが、ランダムドリフトによって生ずる確率を、両系統が分岐した後の世代数と系統の集団の有効な大きさを基に計算した結果、その確率は1%未満であった。このことから、2つの系統間におけるSNPのアリル頻度の違いは、発育形質を目的とした長年の選抜によって生じたものであることが示唆された。