秋田県農林水産部農業関係補助事業に係る第三者委員会(平成25年度開催)

2013年09月26日 | コンテンツ番号 7561

議事概要

  • 開催日時 平成25年9月4日(水曜日) 午後1時30分~午後3時00分
  • 開催場所 秋田地方総合庁舎 6階 大会議室(秋田市山王4丁目1番2号)
  • 出席者
    委員:
    • 鵜川洋樹委員
    • 太田珠美委員
    • 齋藤登則委員
    • 吉澤結子委員
  • 県:
    • 農林政策課担い手支援班主幹(兼)班長
    • 農山村振興課長
    • 水田総合利用課長
    • 園芸振興課調整・普及班主幹(兼)班長
    • 畜産振興課参事(兼)課長
    • 関係各課担当者

1 秋田県農林水産部農業関係補助事業の実施状況等について

(1)強い農業づくり交付金について

  • 事業制度の概要について、水田総合利用課から説明。
  • 評価年に当たる事業の実績・評価等について、関係各課から説明。

2 質疑

A委員
 肥育豚舎等の事業について、成果目標が労働時間の削減となっているが、どうやって把握しているのか。また、豚の飼養に係わる労働時間をどうやって仕分けているのか。

B委員
 関連して、現況の労働時間はどのように算出しているのか。

事務局
労働時間はタイムレコーダーで把握されているので、当該施設に係わる従業員の労働時間の合計を種豚の頭数で割って算出している。この会社では現場で飼養作業を行う者と、経理や経営を行う者が分かれているので、飼養作業を行う者の労働時間だけを合計している。
 現況の労働時間は、今回、新たに導入されたオートソーティングシステムが未導入な段階の数字を同様に把握しているので、その数字で算出している。

C委員
 労働時間が削減され、より少ない人員で作業ができるようになったということか。人員の削減に繋がっているのか。

事務局
 新設の施設であり、その分、雇用は増えている。より効率的に作業が行えるようになった、ということ。成果目標では労働時間だけを取り上げているが、新たなシステムが導入されたことで、出荷時の労力も削減され、より確実なランク・体重の豚が出荷できるようになり上物率・品質も向上している。
  
D委員
 肉質も向上しているのか。品質に係わるデータも把握しているのか。

事務局
 上物率も向上しており、関連したデータは把握している。
 オートソーティングシステムだけでなく、「アニマルウェルフェア」も取り入れている。これは、動物の快適性に配慮した飼養管理のことで、できるだけ自由に快適に過ごさせることでストレスを軽減し、良好な生育を確保する飼育方法。
結果として品質の向上、労働時間の削減、経営の効率化に繋がっている。

A委員
 最近、スーパー等で「八幡平ポーク」の表示・精肉を見かけるが、これもこのグループで生産されているのか。

事務局
 「八幡平ポーク」は別のグループ。当該施設を導入したポークランドグループのブランド名は「桃豚」で、生産量は県内養豚の1/3を占めるほどだが、当初関東圏の生協に主に出荷していたため、県内にはあまり出荷していなかった。
 今回の補助事業による新施設の導入など、生産量が拡大し、最近、ようやく県内にも出回り始めている。
 ポークランドグループは単なる飼養だけでなく、豚糞を利用した堆肥製造や、その堆肥を活用した野菜の生産を行っているほか、地域の農業者段階では、豚に食べさせる飼料用米の生産を行うなど、従業員137名の雇用と合わせて地域を挙げての取り組みとなっている。
 小坂町には直売所があり、精肉だけでなくソーセージ等の加工品も販売しているほか、加工体験もできるので、委員の皆様にもぜひ立ち寄って頂きたい。

B委員
 目標は概ね達成されており、たいへん良い結果だと思うが、労働時間の削減だけでなく、コメント等の欄に、今、話されたようなこの事業による他の効果も記載した方が良い。その方が事業の効果全体がわかりやすい。

A委員
 穀類乾燥調整貯蔵施設の事業について、高温耐性品種の作付割合の向上が成果目標だが、この先、さらに温暖化が進むような状況になれば他の品種が出てくるのか。

事務局
 現在、県で試験栽培して品種登録している「あきたこまち」並みの良食味品種は、「秋のきらめき」と「つぶぞろい」で、「秋のきらめき」は「あきたこまち」より早生で県北部や山間地での作付に適している。
 高温による障害は米粒が白く濁る「白未熟粒」の発生による品質の低下だが、「つぶぞろい」は晩生で、穂が出る時期が遅く、暑さを避けることができるため、沿岸南部での作付に適しているとともに、より高温に強い品種と言える。
 本事業の目標に上げた3品種と合わせて、「あきたこまち」に偏った品種構成を解消し、異常気象等のリスクに対応できるようにしたい。
 県農業試験場では、今後も気象変動や良食味のための品種育成は続けていく。

A委員
 大豆は高温耐性は問題ないのか。

事務局
 大豆は、今のところ高温の影響という話は聞かない。収穫期が稲刈り後となるため、逆に早い降雪で収穫ができなくなる場合があり、平成24年度の大豆の稼働率が低かった理由のひとつで、なるべく早く収穫できる体系が望ましい。

D委員
 成果目標の項目だが、導入した施設は乾燥調製貯蔵のための施設なので、刈り取った後に利用する施設であり、下位等級や品種の作付割合は収穫の前に決まってしまうのではないか。事業実施主体としても不本意な項目では。

B委員
 乾燥調製とは、直接、関わりがない項目と思われるが、なぜ目標にしたのか。

事務局
 国の事業の目的として、異常気象による品質や収穫量への影響を軽減する、ということがあり、項目設定が制約された。
 施設の導入に合わせて生産体制も整備して技術的な指導も強化すると言うことで、間接的ではあるが、取り組む目標を設定したもの。

B委員
 趣旨はわかるが、評価の結果がDとCであり改善指導対象となっている。事業実施主体のコメント等に原因は書かれているが、下位等級指数の削減については対策が書かれてていない。
 成果目標の達成に向けてどうするかも記載していただきたい。

事務局
 県が行っている予察情報を活用した、カメムシの発生を抑制する栽培体系や、高温の影響が出にくい栽培技術など、今後とも目標達成に向けて取り組んで行くこととしてコメント等に入れさせていただく。

B委員
 成果目標とは別に稼働率が記載されているが、低いわけではないが100%には達していない。こちらの数字も重要と考えるが、理由は何か。

事務局
 大豆については、平年よりも早い時期に降雪があったため、一部のほ場で収穫できなかったことが理由の一つであり、確実に収穫できる体制に持って行くことで、稼働率を上げていきたい。
 水稲については、稼働初年度でもあり、予定していた農業者の一部が自己所有の乾燥機を継続して使用したことが理由であり、今後は品質の向上や省力化等、当該施設の利用のメリットを働きかけて稼働率の向上に繋げたい。  

A委員
 補助金で施設を設置しているので、圧縮記帳等の税務上のメリットを得るための対応があると思うが、説明や指導は行われているのか。

事務局
 補助事業による実施では、圧縮記帳等は通常に行われている。また、個々の農業協同組合の経理事務は秋田県農業協同組合中央会が行っており、税務対策も指導されている。

3 意見交換

B委員
 秋田県の農業は稲作が中心で、稲作偏重を是正するべく取り組んでいるのはわかるが、やはり中心となる米の競争力を高める必要がある。最大の武器は品種だと思うが、「あきたこまち」並みではなく「コシヒカリ」を超えるような品種も必要なのではないか。今現在の県の取り組みはどうなっているか。

事務局
 食味に関しては、一昨年「食味ランク特A」が秋田県から出なかったことから、「あきたこまち」の食味向上に取り組んでおり、データを蓄積しているところで、「食味向上マニュアル」等を作成し、全体の底上げに取り組みたい。
 新品種に関しては、食味の目標は、従来「あきたこまち」並み、としてきたが、「コシヒカリ」を超える、に替えて取り組んでいる。
 また、先ほど話題となった高温耐性についても、今年度から農業試験場に温水を流しながら栽培する新設備が導入されて、新品種開発に利用されている。

C委員
 「あきたこまち」はねばりが強く、外食業者には向かないと聞いたことがある。炒飯のような調理加工にも向かないようだが、そういった業界に向けての品種など、取り組みは行われているか。 

事務局
 秋田県では「あきたこまち」の作付が約75%と偏った状況にある。
 「あきたこまち」は家庭向けの販売が主流となっていることから、外食・中食といった業者のニーズに十分に対応できていない状況にある。
 このため、外食・中食業者にいかに切り込んでいくがが課題であり、品種開発と合わせて、JA系統を始めとして業界団体への売り込みなど、県のうまいもの販売課との連携を強化して取り組んで行きたい。

D委員
 補助事業に係る施設は非常に大規模で、電気代やメンテナンス等のコストがあると思うが、農業以外の分野でも良いので、何かと組み合わせてコストを低減するような取り組みは行われているか。

事務局
 太陽光や風力などの新エネルギーを農業生産に取り入れる実証事業が、秋田市仁井田の旧農業試験場跡地で行われており、ハウスの電力の一部を賄い、生産コストの低減に取り組むこととしている。
 用水路の水を利用した農業用小水力発電も検討されており、こちらはある程度の設備投資が必要で、国の補助事業を利用することになるが、国のルールで、発電した電力は農業用排水施設にしか使えないこととされている。
 生産設備に利用したり、電力の地産地消のような自由な使い方ができず、取り組みが制限されている状況のため、国に対して門戸を広げてくれるよう要望しているところである。