キャベツ実証圃でのモミガラ補助暗渠の効果をご紹介します。

2013年12月02日 | コンテンツ番号 6775

仙北地域振興局では、モミガラ補助暗渠の効果を検証するための実証圃を設置し、ソラマメとエダマメの収量結果をご紹介してきました。今回は平成24年6月にモミガラ補助暗渠を施工した転作田(実証圃)でのキャベツの収量調査結果をご紹介します。

結果は以下に示すとおり、モミガラ補助暗渠有りが5,028kg/10a、モミガラ補助暗渠無しが4,580kg/10aとなり、モミガラ補助暗渠有りがモミガラ補助暗渠無しと比較して10%の増収となりました。

モミガラ補助暗渠実証圃(キャベツ)収量調査結果

1.方法

(1)設置場所

大仙市高梨

(2)実証概要 

モミガラ補助暗渠施工日

平成24年6月1日

区の構成

表:区の構成

(3)耕種概要

条間70cm×株間35cm 単条 無マルチ
施肥及び防除は農家慣行としました。

2.結果

  1. 降雨後の排水は実証区で排水性が向上しました(図-1)。
  2. 生育は実証区が対照区に比べ早く進み、同じ播種日、定植日でありながら収穫開始日に2週間程度の差がありました(表-2)。一球あたりの球重はやや対照区が勝りましたが、製品率は実証区が対照区に勝りました(表-3)。
  3. 収量は実証区で多く、対照区と比較し約1割の増収となりました(表-4)。

3.具体的データ

表-1 月別降水量(アメダスデータ大曲)
表:月別降水量

※彩藍は定植から75日前後が収穫の目安となる。

表-2 定植から収穫までの日数の比較
表:収穫までの日数の比較

※製品率調査は連続した300株、球重調査は連続した10株をそれぞれ調査した。

表-3 品質調査(調査日:10月25日)
表:品質調査結果
表-4 収穫の比較
表:収穫量の比較

※JA出荷実績より

画像:モミガラ補助暗渠有りの場合、結球期のキャベツ畑湛水状況 画像:モミガラ補助暗渠有りの場合、収穫期のキャベツ畑湛水状況
モミガラ補助暗渠有り
画像:モミガラ補助暗渠無しの場合、結球期のキャベツ畑湛水状況(水に光が反射している) 画像:モミガラ補助暗渠無しの場合、収穫期のキャベツ畑湛水状況
モミガラ補助暗渠無し
図-1 9月21日(上 結球期)と11月12日(下 収穫期)の畝間の湛水状況
グラフ:日降水量の推移
図-2 日降水量の推移(アメダスデータ大曲)
画像:畝間に水が溜まっている様子
図-3 畝間の掛け流し灌水の参考画像

4.考察

今年は活着から結球までの期間である8月から9月にかけての降水量が少なく、8月は平年の17%に過ぎませんでした。若干の回復を見せた9月(平年の60%)においても、継続的な降雨が無く、干ばつの合間にまとまった降雨が訪れるといった気候でありました(表-1、図-2)。そのため、排水不良圃場における代表的な湿害であります降雨後の停滞水によるキャベツの生育抑制は少なかったと思われます。むしろ、キャベツの生育にとっては干ばつの影響が大きく、枯死や生育停滞をおこす圃場が散見されました。

実証区においては、その排水性と転換畑という環境を活かし、畝間の掛け流し灌水をおこないました。これにより、干ばつ下の苗活着~初期生育がスムーズに進みました。これは排水不良圃場では湿害をもたらしかねない灌水技術であり、実証区の排水性向上がもたらした効果と言えます。

※図-3の圃場は実証区及び対照区の近くにあり、干ばつがひどく圃場へ掛け流し灌水したものです。同様に実証区の圃場も行いました。

平年に比べ多雨となった11月頃から、対照区においては下位葉に黒斑病が散見されるようになりました。結球部までの罹病には至らなかったこともあり、直接の収量への影響はありませんでしたが、実証区においては最後まで病害の発生は少なく経過したことから、排水性の違いによる影響が考えられ、多雨年においてはモミガラ補助暗渠が病害防除に有効であることが示唆されました。

以上のことから、キャベツ栽培圃場におけるモミガラ補助暗渠の施工は、増収効果があると考えられます。

県単モミガラ補助暗渠事業

県では、農家等が行うモミガラ補助暗渠の施工に一定の助成を行います。区画整理済みで暗渠が入っていれば対象となります。また、次の年に大豆・枝豆などの転作をすることが必要です。

助成額

業者等へ委託する場合

作業委託契約額の2/3を助成しますが、17,000円/10aを上限とします。

農業生産法人、農家等が直営施工する場合

13,000円/10aを上限に助成します。

詳しくは、仙北地域振興局農林部まで問い合わせ願います。