2010年8月第60回東北畜産学会大会「飼料用米による仕上げ期のトウモロコシ代替が比内地鶏の発育および肉質に及ぼす影響」

2014年01月22日 | コンテンツ番号 4764

目的

配合飼料価格の高騰に伴い、安全・安心や飼料自給率向上の観点から飼料用米の利用に期待が集まるようになった。配合飼料の玄米代替は比内地鶏の生産現場において普及しつつある。しかし、配合飼料の大半を占めるトウモロコシの玄米代替については他の肉用鶏でもあまり例がなく、代替可能な割合や給与効果については明らかにされていない。そこで本試験では、比内地鶏の仕上げ期にトウモロコシの代替として玄米を配合し、発育や肉質へ及ぼす影響を検討した。

方法

9週齢の比内地鶏の雌150羽を供試した。慣行区は市販のブロイラー肥育後期用配合飼料(CP16%,ME2,900kcal/kg)のみ給与とした。慣行区飼料の穀類全てを除いた飼料に破砕した玄米とトウモロコシを配合し、玄米の配合率が16,6%,33.2%,49.8%,66.9%となるように調整した4試験区を設け、それぞれ25%代替区、50%代替区、75%代替区、100%代替区とした。試験開始時に各区の平均体重を揃え30羽/区に分けた。飼養期間は22週齢までとした。調査項目は体重、飼料摂取量などの発育成績、解体成績、肉色、一般成分、脂肪酸組成とした。体重測定は14,18,22週齢に行った。22週齢に各区の平均体重に近い5羽を解体した。肉質分析にはもも肉を用いた。

結果

体重は18週齢時に100%代替区と比べ25%代替区が有意に高い値を示したが慣行区とは差がなかった。14,22週齢時には各区間に差は認められなかった。飼料摂取量においては14-18週齢に25%代替区が他の区より大幅に増加したため、飼料要求率が劣った。75%代替区および100%代替区の飼料要求率は慣行区よりもわずかに優れていた。生体重に占める各部位の重量割合では、各区間に差は認められなかった。もも肉の肉色(L*a*b*)において各区間に差は認められなかった。腹腔内脂肪では75%代替区のb*が25%代替区と比較して低い値だったが、他の区とは差がなかった。もも肉の水分、粗蛋白、粗脂肪含量は各区間に差は認められなかった。脂肪酸組成においては、オレイン酸の割合は75%以上の玄米代替で有意に増加し、リノール酸の割合は50%以上の代替で有意に減少した。n-6系脂肪酸の割合は玄米割合の増加に伴って減少した。n-6/n-3比は玄米給与により有意に低下し、慣行区の16.4に対して100%代替区では9.0であった。以上の結果から、比内地鶏仕上げ期においてトウモロコシを玄米に100%代替しても発育等に影響を及ぼさないこと、n-6/n-3比の低い特色のある地鶏肉が生産できることが示唆された。