山内家住宅(主屋・裏座敷・文庫蔵・道具蔵・商品蔵・穀蔵・車庫)7件

写真:山内家住宅主屋

 山内家は、安永年間(1780年頃)に山内市兵衛家から分家したと伝えられており、文化初年(1804年)から昭和にかけて呉服商を営み栄えた。
 山内家住宅は、東京の高堂建築事務所の高堂徳治が出身地である秋田に残した作品である。湯沢市の羽州街道沿いに位置し、市内の伝統的な町屋の中でも最大級の規模をもち、街道沿いの建物群の中で一際目立っている。現在の建物は、7代当主のときの建設で、昭和10年には竣工していたと推定される。
 本住宅主屋は、梁を重ねた重厚な妻面を見せ、屋根には深緑の釉薬瓦が葺かれている。敷地内には軽快な意匠でまとめられた裏座敷の他、文庫蔵、道具蔵、商品蔵、穀蔵といった土蔵群が建ち並び、主屋北側には洋風意匠の車庫が隣接し、優れた街路景観を構成している。