お化け石(鹿角の伝説)

2009年12月11日 | コンテンツ番号 313

お化け石

 江戸時代のころ、大湯の和町(わまち)の城に殿様がいたころの話である。和町の城の周辺には、殿様の住む館や侍たちの住む屋敷がいっぱいあった。

 ある年の春さきの真っ暗な晩、立派な栗毛の馬に乗った見知らぬひとりの侍が、大きな馬の蹄の音を立てながら、お城の殿様の館のまわりを何度も回っていた。

 殿様の家来たちは大騒ぎし、殿様の館に集合したが、栗毛の馬に乗った侍があまりにも強そうなので、誰もどうすることができなかった。

 そこへ、外が騒々しいと思った殿様が、「何を騒いでおる。」と言って出てきた。そこへ例の栗毛の馬に乗ったりっぱな侍が大きな馬の音を立てながら近づいてきた。殿様は、自分の城に馬に乗って近寄ってくるとは無礼千万なやつだと怒り、刀を抜いて、その栗毛の馬を切ってしまった。その馬と侍は、実はキツネが化けたものであり、殿様を驚かせてやろうと思って回っていたのだった。

 その時、殿様に切られたキツネが化けた馬は、大湯の和町に行くところの道ばたに今でも横に真っ二つに割れた石になってある。その石を大湯の人達は、今でも“お化け石”と呼んでいる。