秋田県では、農地・農業用施設を守るために県内で31箇所の「農地地すべり防止区域」を指定しています。

雄勝地域振興局管内には、農地地すべり防止区域が3区域あり、定期的に巡回点検を実施しています。今年度の巡回点検において、羽後町軽井沢地内に位置する除野区域内の集水井(地下水を集めて排水し、地下水位を下げるための施設)で、地下水のダムアップ(異常湛水)が確認され、地すべり災害が懸念されたことから、緊急対策を講じました。

現地調査結果から、集水井に貯まった水を排除する排水ボーリング孔の目詰まりに起因するものと判断し、ボーリング孔の洗浄工法を実施しました。

洗浄後は、施設機能が回復し、集水井内のダムアップは解消されました。

 

写真1:ダムアップ(異常湛水)状況  (巡回点検時撮影)

    

           集水井(全景 正面より撮影)

 

    

                    集水井(全景 上流より撮影)

 

                

                        集水井内部(ダムアップ状況)              

 

  

               排水ボーリング出口

 

 

写真2:対策状況(排水ボーリングの洗浄)

             

             洗浄状況(1)(堆積物排出)

 

  

             洗浄状況(2)(堆積物排出)

 

 

写真3:洗浄後

                

                    排水ボーリング呑口確認

 

 

                        集水ボーリング排水状況確認

 

 

農地地すべり防止施設は、防止区域内にある農地や農業用施設を地すべり災害から守るための重要な施設ですが、十分な機能を発揮できなければ効果が期待できません。このため、これからも定期的な施設の巡回点検を行い、安全の確保に努めます。

 

 

農家の皆様が安心して営農に取り組むためにも、災害に強い農業基盤整備は、土地改良事業の大事な役割です。