秋田で暮らす幸せについて

写真:フォーラム1

雇用労働政策課 政策監 高橋 浩

はじめまして、雇用労働政策課の高橋と申します。昨年4月に当課に配属となり、主として定住対策と産業人材の育成に関する業務に携わっております。本日は、秋田で暮らす幸せについて、述べてみたいと思います。

2月のある土曜日、県庁の日直業務を体験する機会がありました。自然災害や火災、気象警報発令などの情報を関係機関に伝達したり、県民の方々からの問合わせにお答えするなど、県の危機管理の一端を担う役目に気を引き締めて臨みましたが、当日は暖冬傾向そのままの穏やかな天候だったこともあって、何事もなく終えることができました。あらためて、秋田は災害も少なく暮らしやすいところだと感じ、この秋田に居を構え家族と暮らす身にとって、この上もなく幸せなことだと、実感いたしました。

私は50代半ばに差し掛かっておりますが、いまだに4人の子供にスネをかじられながら、共稼ぎの妻とともに、子育てと仕事を両立させるべく、慌ただしい毎日を送っております。ストレスを感じる時も多々ありますが、温泉と山菜採りでその解消を図っています。

写真:温泉 写真:山

若い頃は、登山・スキー・ゴルフ・草野球・碁将棋・麻雀等々、色々なものに夢中になったものですが、年齢を重ねるうちに、今では温泉と山菜採りが中心になっています。それというのも、旧雄和町大正寺(現在は秋田市に合併)にある妻の実家の裏がすぐ山になっており、この裏山が山菜・キノコ・栗・アケビなど自然の恵みの宝庫なのです。加えて、実家から車で5分弱のところに、お気に入りのY温泉があるのです。

 この温泉は現在は立派な施設になっていますが、以前は、現所より奥手に入った場所にあって、町民が気楽に集まれるような素朴な温泉だった記憶があります。当時から、体がよく暖まり疲れがとれる感じがして、かれこれ20年くらい利用させていただいています。 この温泉でリフレッシュして、そして自ら収穫した自然の恵み、山の幸を堪能したときの至福感がたまらなくて、ウイークエンドに暇を見つけては実家通いをしています。そして、都会に住んでおられる方々にも、このような幸福感を体感してもらえたらいいなと、常々思っています。

さて、ここで私の仕事に関する紹介をさせていただきます。去る1月18日、県主催で「あきた交流・定住促進フォーラム」を開催しました。このフォーラムについては、ニュース報道や県広報番組「あきた東西南北」などでご覧になった方もいらっしゃるかと思いますが、団塊の世代など首都圏等に在住の方々に、観光などで秋田に来てもらったり、定年後に秋田で暮らしてもらい、地域の活性化に繋げていくことへの県民や関係者の理解を深めてもらおうと開催したものです。

写真:フォーラム2 写真:フォーラム3

フォーラムでは、旧十文字町(現横手市)で農業を実践している俳優の永島敏行氏に講演をしてもらった後に、「秋田の地域活性化と交流・定住促進を考える」をテーマに、他県で首都圏からの移住者を受け入れて地域の活性化を図っておられる方とそれを支援するNPOの方、加えて、自らAターンして田舎暮らし体験塾を運営されている方とネーチャーガイドをされている方などによる、パネルディスカッションを行いました。ディスカッションでは、秋田で交流や定住を促進していくためには、秋田の豊かな自然や、新鮮で安全な水や食べ物に囲まれて暮らすことのすばらしさを効果的に情報発信することや、秋田らしさを大切にしながら魅力ある地域づくりを進めることが重要であると、総括されました。

この中で、パネリストの1人が、「首都圏と違い、秋田では道路はガランガラン(「空いている」の意)で何のストレスも感じない。温泉もガランガランで朝から晩まで使い放題だ。スキー場もガランガランで自由自在に滑れてぶつかる心配もない。こんなすばらしい環境は他には滅多にない。これをアピールしましょう。」と発言し、会場の笑いを誘いました。 ガランガラン状態がすばらしいことなのか、そうでないのかについては、ひとそれぞれの意見があると思いますが、「ともすればマイナスイメージに捉えられているものに実は魅力がいっぱい詰まっており、そして秋田にはそういうものがたくさんあるので、それらを有効に活用すべき」という視点は間違っていないと思います。(なお、このフォーラムの様子については、3月10日頃から、県のホームページ「美の国秋田ネット」の「WebTVあきた」上で動画で配信する予定になっているので、ご覧いただければ幸いです。)

昨年度に県が首都圏在住の県出身者を対象に行ったアンケートでは、1割弱の方が移住を考えており、それに田舎暮らしもしてみたいと答えた方を加えると、約3割の方がふるさと回帰や田舎暮らし志向を持っているとの結果が出ています。 県では、昨年、これらの方々を受け入れるための基本的考え方や、県・市町村・民間事業者等それぞれの役割などを盛り込んだ定住促進プランを作りました。また、住宅や子育てなどに関する情報を提供するホームページを立ち上げました。(秋田県定住支援総合情報はこちら) 県内の市町村においても、温泉療養に来られる方々が長期滞在できる住まいを提供するため空き家の調査に取りかかったり、森林浴と温泉のセラピーを組み合わせた交流居住メニューの開発に取り組む動きや、東京のふるさと会や地元NPOと連携してUターン相談会を開催するなど、定住促進に向けた取組が広がってきております。私どもも市町村長さん達に直接お会いし、お互いに連携して取り組もうと意思疎通を図っています。

新年度には、東京の中心地(銀座の歌舞伎座そば)に秋田県の情報発信拠点を設置しようと、現在準備を進めています。ここでは、秋田の観光・物産のPRや、交流・定住に関する情報を強力に発信するつもりです。また、Aターン相談の受付や小展示会などにも活用したいと考えています。 また、県内の商工・観光・農業・住宅産業などの団体や企業などに呼びかけ、官民が一体となった推進体制を作り、各界の力を結集して進めて行こうと考えています。秋田で暮らす幸せを多くの方々に実感させたい。この思いを胸に、これからも取り組んでいきます。皆様方の御支援をよろしくお願いいたします。

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