課室長ペンリレー

自然と食

　　　　　　

活き活き物産応援チームリーダー　佐藤俊正

　県庁に入り２５年ぐらい前から、秋田の滝、山、高山植物、鳥など写真を撮り続けてきました。特に滝については、５ｍ以上のものを撮り続け、現在７１１の滝を収めることができました。
　秋田には落差３００ｍを超す富山県の「称名の滝」のような滝はありませんが、１００ｍを超す滝はいくつかあります。茶釜の滝、幸兵衛の滝、シャチノヒネリタキ、黒滝、長滝、九階の滝などで、この中で一番の落差を持つ１３５ｍの九階の滝は以前、幻の滝と言われ訪れる人もほとんどいませんでした。１枚岩の上を９段に分かれて滑る様は全国どこの滝にもない特徴を持っています。
また山では、雄大な眺望を持つ鳥海山、ブナに覆われた白神山地の一画を占める藤里駒ヶ岳、コマクサ咲く秋田駒ヶ岳、夜景が見事な太平山、花の百名山と言われる森吉山など、挙げると枚挙がありませんが、そこでは多くの可憐な高山植物も咲き乱れています。

　

　また、あまり知られていませんが大潟村、能代市の小友沼などは渡り鳥の中継地でもあります。早朝、残存湖から餌を求めて飛び出す何万羽ものヒシクイ、マガンなどは空を真っ黒に埋め尽くします。
　このように秋田には多くの誇るべき自然があり、この自然はまた秋田の特産物も生み出します。
　ブナの根元からしみ出す雫は八森の海に流れ込み秋田の県魚である「はたはた」の藻場を作り、鳥海山の麓から流れ出す冷たい伏流水は、夏場の岩ガキを作ります。
　そして「美酒王国」秋田の酒も豊富な湧水と米により作られています。
　自然、水、食の循環から生まれるものはクリーンで安全・安心なイメージを与えます。　湧水とこの湧水で作る米、自然界に存在する酵母で作られる日本酒は海外で大きな人気を博していますし、白神酵母で作ったパンも人気が上昇しています。
　今後、秋田の誇るべき自然に裏打ちされたものこそ秋田の食として繁栄していくことが望まれます。

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