森吉山麓高原自然再生事業とは

2012年07月03日 | コンテンツ番号 1868

森吉山麓高原自然再生事業の概要

 本県の北東部に位置する森吉山周辺は、山頂部の高山植物群落をはじめ、山麓の小又峡や桃洞滝、ブナやスギの原生林など豊かな自然環境が残されています。
 またこの地域は、日本最大のキツツキである”クマゲラ”の本州における数少ない生息地で、その繁殖が本州で初めて確認された場所でもあります。
 しかし、昭和50年頃に約500haの広葉樹林が伐採され、牧場に開発されて現在に至っています。
 近年、クマゲラの繁殖地としての重要性や生物多様性保全、森林の水源涵養、二酸化炭素固定への寄与が認識されるようになると、多様な生物の生息・生育環境の保全のために、現在の草地部分をかつてのような広葉樹林に戻せないかという考えが出てきました。
 森吉山麓高原自然再生事業は、この草地として開発された箇所を広葉樹林として再生させ、周辺の自然環境と共に保全していこうという事業です。本事業は、環境省からの交付金を受けて実施しているもので、自然再生事業及び関係法令等については、環境省のホームページをご覧ください。

森吉山麓高原とは

事業予定地とその周辺

  森吉山は秋田県の北東部の位置する独立峰で、山頂部にはオオシラビソ(アオモリトドマツ)林や高山植物が見られ、山麓部にはブナなどの広葉樹林が広がっています。また、周囲には渓谷美の小又峡や桃洞滝のあるノロ川、天然記念物にも指定されている桃洞・佐渡のスギ原生林が広がっています。森吉山から柴倉岳、太平湖から立叉渓谷周辺までは森吉山県立自然公園に指定されています。
  本事業の対象地は、この山麓部のうち、ノロ川と東叉沢に挟まれた約500haの県有地となります。

 図:事業予定地とその周辺

事業予定地とその周辺の自然環境

 事業予定地のうち約半分は牧草を主体とする草地となっていますが、隣接するノロ川周辺にはブナを主体とした広葉樹林が残されています。ここではクマゲラ(国天然記念物、国レッドデータブック絶滅危惧II類、秋田県版レッドデータブック絶滅危惧種IA類)が生息していることから、クマゲラの生息地が国指定鳥獣保護区となっています。近年クマゲラの繁殖が確認されておらず、個体群の存続が懸念されていましたが、平成18年6月に4年ぶりに繁殖が確認されました。                 
 また、事業予定地の周囲の森吉山、小又峡、椈森には環境庁(当時)の自然環境保全地域の特定植物群落調査において希少性等が評価された特定植物群落が存在します。

事業予定地内の草地
写真:森吉山頂
森吉山頂
写真:ノロ川流域
ノロ川流域
写真:事業予定地隣接地のブナ林
事業予定地隣接地のブナ林
写真:営巣中のクマゲラ
営巣中のクマゲラ

事業予定地及びその周辺のこれまでの経緯

年月

内容

事業予定地及びその周辺のこれまでの経緯 
昭和43年8月 森吉山県立自然公園学術調査報告 (県観光課)
「森吉山県立自然公園(仮称)候補地公園区域案及び公園計画案」
昭和43年10月 森吉山県立自然公園の指定
(森吉山県立自然公園の公園計画の決定と特別地域の指定)
昭和48年7月 森吉山県立自然公園の特別地域の変更
(再生事業予定地を第3種特別地域から普通地域に変更)
昭和49年~昭和54年 県営草地開発整備事業(250.0haを草地開発)
昭和58年 団体営草地開発整備事業(13.7haを草地開発)
昭和58年11月 国設森吉山鳥獣保護区森吉山特別保護地区を指定
(再生事業隣接地 330.0haを鳥獣保護区に指定)
平成5年11月 国設森吉山鳥獣保護区森吉山特別保護地区を区域拡張(1,175.0ha)
平成7年~平成9年 第12回日本ジャンボリー開催のための施設整備
平成8年3月 県が森吉町森吉字大印沢国有林30林班イ小班外(5,053,541.20m2)
を国(秋田営林局)より買収
平成9年2月 奥森吉青少年野外活動基地整備計画 策定
平成10年6月 秋田県奥森吉青少年野外活動基地 開所
平成10年8月 第12回日本ジャンボリー開催
平成15年6月 森吉山県立自然公園の指定の一部拡張(119.0ha)
平成15年7月 国指定森吉山鳥獣保護区の指定
(再生事業予定地を国指定鳥獣保護区に指定)
平成16年5月 環境省「森吉山野生鳥獣センター」オープン

事業スケジュール

 本事業は、平成16年度にスタートし、最初の2年で、自然環境調査と全体構想の策定を行いました。平成18年度には実施計画を策定し、協議会の意見を伺いながら試験植栽等を実施しています。平成18年度から平成22年度までの5年間については、国からの交付金を活用しながら植栽等を進めていきます。