農業用ため池や水路、そして大雨を排水するポンプ等の施設は、土地改良区が運転・操作・維持管理しています。
平成28年10月21日(金)、水土里ネットうご(羽後町土地改良区)は、普段目にすることの少ない農業用施設や土地改良区の活動を農家女性の皆さんからもっと理解していただこうと、「第12回食料・環境・ふるさとを考える女性の会」を開催しました。

写真:嶋田新田排水機場

参加者は、水土里ネットうご組合員家族の女性で、管内の嶋田新田排水機場、松倉ダム、皿ヶ台ため池を視察した後、土地改良区の役割について研修しました。

嶋田新田排水機場は、大雨により雄物川が増水した時でも、地域からの排水を高尾田川から新町川経由で雄物川へ排水するためのポンプ場です。3台のポンプが水田ばかりでなく集落の湛水被害を防いでいます。

続いて訪れた松倉ダムは、当時日本で初めて「ラビリンス工法」による洪水を放流する水路が整備されています。最大で25mプールが約10秒で一杯になるほどの洪水量を、ジグザグに折りたたむことで地形に合わせてコンパクトに設計された堰を越えて放流できます。

写真:松倉ダム1

写真:松倉ダム2

次に、本年度完成した皿ヶ台ため池を視察しました。こうしたため池の整備によって老朽化していた施設の災害が未然に防止されるほか、今後も地域の水田がため池によって潤されます。

写真:皿ヶ台ため池

研修では、土地改良区の役割について、農業用水を公平に配水しているばかりでなく、地域資源である農地、水、施設を管理していること、それには組合員である農家の合意により運営が行われていることが説明されました。

写真:研修(座学)の様子

参加者からは、
「いままで土地改良区の負担金が高いと感じていたが、管理している施設を見ることである程度納得することができた。」
「同じ町内に住んでいながら初めて訪問する施設ばかりだった。」
「田んぼの水は水路を勝手に流れてくるものと思っていた。土地改良区が維持管理しているとは知らなかった。」
「町内にこれほどたくさんのため池があるとは知らなかった。水を大切にしなければならないと感じた。」
「みんな、水の管理を人ごとと感じている。農家の中に土地改良区の仕事としてあちこち走り回って水管理を支えている人がいる。」
といった感想や、土地改良区に対する想いが報告されました。

水土里ネットうごでは、今後もこうした活動を通じ、普段の取組の成果を組合員から理解してもらいたいと話していました。