海外旅行者の健康ガイド

2014年01月31日 | コンテンツ番号 1603

海外旅行者のみなさんへ

 近年、海外に旅行される方が増えておりますが、これに伴い海外でさまざまな感染症に感染される人が非常に多くなっております。
 コレラ、赤痢、食中毒等の経口感染(口からの感染)については、それが国内に持ち込まれ二次感染を引き起こす例があります。
 また、性的接触によるエイズや性感染症の感染にも注意が必要です。
 海外旅行されるみなさんは、旅行先の衛生状態、かかりやすい病気やその予防方法を事前に調べておきましょう。

出発前から帰国まで

1.出発前

体調第一+予防知識 持病がある方は、かかりつけの医師と相談し、必要があれば日程にあわせた薬などを準備してもらいましょう。病名、薬品名を書いた簡単な紹介状が用意できると、何かあったときに役立ちます。

予防接種は?

予防接種は、感染症の予防に役立ちます。特に東南アジアやアフリカ、中南米を旅行する方は、検疫所に御相談ください。

こんな予防接種がおすすめです

 受ける予防接種の種類は、旅行先や目的、滞在期間、季節によって違いがあります。
また、複数の予防接種を受ける場合、かなり時間を要することになりますので、早めに予防接種を行うことをお薦めします。

地域名 A型肝炎 黄熱 破傷風 狂犬病 日本脳炎
予防接種一覧
東アジア  
東南アジア  
アフリカ  
中央アメリカ  
南アメリカ  

★印:優先的に行ってもらいたい予防接種

☆印:旅行の目的、季節、滞在期間によっては、行ってもらいたい予防接種

東アジア

  • 韓国
  • 中国
  • 台湾
  • モンゴルなど

東南アジア

  • フィリピン
  • マレーシア
  • タイ
  • インドネシア
  • シンガポール
  • ベトナム
  • ミャンマー
  • カンボジアなど

アフリカ

  • エジプト
  • ケニア
  • タンザニア
  • 南アフリカ
  • ガーナ
  • ナイジェリア
  • セネガルなど

中央アメリカ

  • メキシコ
  • カリブ海諸国
  • コスタリカなど

南アメリカ

  • ブラジル
  • ペルー
  • アルゼンチン
  • チリ
  • コロンビアなど

 生ワクチン

  • 次の予防接種を予定している場合、4週間以上間隔をあける。

不活化ワクチン、トキソイド

  • 次の予防接種を予定している場合、1週間以上間隔をあける。
種類 ワクチンの種類 接種回数 有効期間
ワクチン一覧
黄熱 生ワクチン 1回 10年
A型肝炎 不活化ワクチン 2回または3回 4~5年
破傷風 トキソイド 3回(免疫がある人は追加の1回のみ) 10年
狂犬病 不活化ワクチン 3回 6~12ヶ月
日本脳炎 不活化ワクチン 3回(免疫がある人は追加の1回のみ) 4~5年

予防接種の接種例

ケース1 黄熱とA型肝炎(約半年の時間が必要)

  1. A型肝炎1回目
  2. (1回目より2~4週間後)A型肝炎2回目
  3. (2回目より1週間以上)黄熱
  4. (A型肝炎1回目から6ヵ月後)A型肝炎3回目

ケース2 黄熱と破傷風(約7ヶ月の時間が必要)

  1. 破傷風1回目
  2. (3~8週間後)破傷風2回目
  3. (2回目より1週間以上)黄熱
  4. (破傷風1回目から6ヶ月後)破傷風3回目

仙台検疫所ホームページより

流行情報は?

 世界では、いろんな所で病気が流行しています。あなたの旅行先で何か病気が流行しているかもしれません。出発前に充分な下調べ知識を持ちましょう。
 厚生労働省・検疫所では海外の感染症に関する情報を提供しています。詳しくは下記へお問い合わせください。

  • 仙台検疫所
    TEL 022-367-8101
  • 成田空港検疫所
    TEL 0476-34-2310

ポリオの予防接種について

 昭和50年から52年生まれの方にはポリオの抗体価の低い方がいることがわかって います。この年齢層でポリオの常在国へ渡航される方は追加接種を受けることをお勧めします。

旅行中 体調の管理が楽しい旅行の秘訣です。

 楽しく旅行をするためには、暴飲暴食は避け、十分な睡眠と無理のないスケジュールを心がけましょう。
 簡単なことですが、重要なことです。

楽しい旅行のために

  • 外から帰ったときや食事の前には、必ず石鹸で手を洗いましょう。
  • 生水や生の魚介類などは避け、よく火の通った料理、ミネラルウォーター、炭酸飲料を利用しましょう。カットフルーツ、氷、時には生ジュースなども要注意です。
  • 屋台での食べ物の購入、食事は避けましょう。
  • 就寝時には、窓やドアをしっかり閉めエアコンを使用して蚊の侵入を防ぎましょう。蚊帳、蚊取り線香も効果的です。
  • 夜間の外出には、長袖のシャツ、長ズボンを着ましょう。
  • 日中の外出では日射病や日焼け、脱水症状には要注意です。
  • 動物(猿、犬、猫など)は不用意に触らないようにしましょう。
  • 寄生虫の感染を防ぐため、河川や湖等の淡水での水浴び、裸足で戸外を歩くことは避けましょう。

帰国時☆空港に着いたら…

 帰国の際に下痢、発熱、発疹など、体調が思わしくないときは空港検疫所の「健康相談室」へ御相談ください。
 健康相談が無料で受けられます。

帰宅してから・・・

 帰国してから2カ月以内は、体調に注意しましょう。異常があれば医療機関を受診してください。特に、潜伏期間(症状がでるまでの時間)が長い感染症もあり、忘れた頃に発症することもあるので注意が必要です。
適切な治療を受けるために、医師には、海外へ行って来たことを忘れずに告げましょう。

旅行中に気を付けたい感染症

食べ物・飲み物からの感染症

 健康相談の中で最も多いのが下痢です。下痢の全てが感染症という訳ではありませんが、赤痢やコレラになってしまう人もいます。とにかく、生ものや生水、古くなった食べ物などを口にしないこと、食事の前には手を清潔に。

昆虫・動物からの感染症

昆虫からうつる感染症

蚊に刺されてマラリア、デング熱、日本脳炎にかかることがあります。虫からうつる病気は他にもあります。人を刺す虫が全て病原体を持っているわけではありませんが、防ぐに越したことはありません。虫の多いところでは虫除けを忘れずに。

動物からうつる感染症

日本では少ないのですが、海外では野生の動物、半野生の動物が人の身近にみられます。ときには思いがけない病気を持っていることがあります。その代表が狂犬病です。動物には不用意に手を出さないように。

性的な接触による感染症

 不特定の相手とのセックスは、エイズ・性感染症に感染するおそれがあります。これらの感染症の予防に関する正しい知識を持ちましょう。

性感染症

 近年、世界的に性感染症(STD)が増加する傾向にあります。性感染症には、梅毒、淋菌感染症、性器クラミジア感染症などがあり、性器、尿道、口腔、肛門まどを介してうつります。
 性感染症にかかったと思ったら、早めに医療機関を受診しましょう。

初期症状

  • 梅毒
    感染後3週間ぐらいに、感染部分に数ミリから1センチぐらいの硬いしこりができます。放置すると化膿することがあります。初期段階で治療することが大切です。
  • 淋菌感染症
    感染後、1週間前後に尿道炎や膣炎を発症し、ウミが出る場合もあります。
  • 尖形コンジローム
    感染後数週間~数ヶ月すると感染部位に潰瘍ができます。
  • 性器クラミジア
    感染症男性では、感染後1~3週間後に排尿困難や排尿時の痛みを訴え、尿道口から分泌物が見られます。女性では、多くの場合症状がなく、出産時に初めて感染に気づくケースが多くなっています。
  • 性器ヘルペス
    ウイルス感染症(潜伏期2~10日)外陰部に不快感、かゆみ、ついで外性器の皮膚、粘膜に1~3ミリの水疱、潰瘍ができます。発熱を伴うことも多い。

エイズから身を守るためには ちょっと気がゆるんだ!ではすまされな

 エイズは、HIV(エイズウイルスともいいます。)によって感染します。
 HIVは、エイズ患者や感染者や感染者の血液、精液、膣分泌液の中に多く含まれ、性器、直腸、口の粘液や傷口からパートナーに感染します。このため、次のことに注意しましょう。

HIV感染の危険性の大きいもの

  • 不特定の相手とのセックス
  • 注射針や注射器の共用

HIV感染の危険性のないもの

  • 軽いキス
  • 同じ食器を使う
  • 握手や乗り物の吊革
  • 蚊などの昆虫、ネズミなどの動物
  • 理容・美容院での顔剃り
  • お風呂やプール、トイレ
  • せき、くしゃみ(唾液中のHIV量は感染限度以下)
  • コンドームの使用は感染予防に有効です。ただし、途中からの装着では意味がありません。

 ご相談は最寄りの保健所へ 感染症について詳しく知りたい、あるいは帰国後の体調の変化等について相談したいときは、最寄りの保健所・県健康推進課にお問い合わせください。