揮発性有機化合物(VOC)規制について

2010年12月02日 | コンテンツ番号 1325

 日本の大気環境において、二酸化硫黄等の環境基準が定められている一部の化合物については、環境基準がほぼクリアーされておりますが、光化学オキシダントや浮遊粒子状物質(SPM)については、依然環境基準の達成率が低い状況にあります。

 光化学オキシダントとSPMの環境基準達成率を向上させるために、国では光化学オキシダントやSPMの生成原因物質として考えられている揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds(以下、VOCと記す。))の排出規制を実施することとし、VOCの排出抑制に関する大気汚染防止法の一部を改正する法律が可決、成立し、平成17年6月1日から施行されました。これに伴い、大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令、大気汚染防止法施行規則の一部を改正する省令及び揮発性有機化合物濃度の測定法を定める環境省告示が制定、公布されました。

 これを受け、秋田県などでは、平成18年4月1日より改正大気汚染防止法に基づきVOC排出者からのVOC排出施設の届出受理、各種命令、報告徴収・立入検査等の事務処理を実施します。

 VOC排出抑制制度の概要については次のとおりです。

 (1)VOCとは?

代表的な物質としては、塗料溶剤や接着剤等に多く含まれるトルエン、キシレン、酢酸エチルなど、約200種類にもおよびます。

日本国内では、工場等の固定発生源から、年間約150万トンものVOCが排出されています。

 (2)規制の対象となる施設は?

規制の対象となる施設は、6施設に類型分けしています。

6施設の類型は次のとおりです。

  1. 塗装関係施設(例:塗装ブース)
  2. 接着関係施設(例:接着剤のロールコーターの乾燥施設)
  3. 印刷関係施設(例:グラビア印刷)
  4. 化学製品製造関係施設(例:樹脂乾燥機)
  5. 工業用洗浄関係施設(例:洗浄槽)
  6. VOCの貯蔵関係施設(例:固定屋根式タンク)

 規制対象となるVOC排出施設とその排出基準は表のとおりです。

VOC排出施設 規模要件 排出基準
規制対象となるVOC排出施設及び排出基準
揮発性有機化合物を溶剤として使用する化学製品の製造の用に供する乾燥施設 送風機の送風能力が3,000m3/時以上のもの 600ppmC
塗装施設(吹付塗装に限る。) 排風機の排風能力が100,000m3/時以上のもの 自動車の製造の用に供するもの 既設 700ppmC新設 400ppmC
その他のもの 700ppmC
塗装の用に供する乾燥施設(吹付塗装及び電着塗装に係るものを除く。) 送風機の送風能力が10,000m3/時以上のもの 木材・木製品(家具を含む。)の製造の用に供するもの 1,000ppmC
その他のもの 600ppmC
印刷回路用銅張積層板、粘着テープ・粘着シート、はく離紙又は包装材料(合成樹脂を積層するものに限る。)の製造に係る接着の用に供する乾燥施設 送風機の送風能力が5,000m3/時以上のもの 1,400ppmC
接着の用に供する乾燥施設(前項に掲げるもの及び木材・木製品(家具を含む。)の製造の用に供するものを除く。) 送風機の送風能力が15,000m3/時以上のもの 1,400ppmC
印刷の用に供する乾燥施設(オフセット輪転印刷に係るものに限る。) 送風機の送風能力が7,000m3/時以上のもの 400ppmC
印刷の用に供する乾燥施設(グラビア印刷に係るものに限る。) 送風機の送風能力が27,000m3/時以上のもの 700ppmC
工業製品の洗浄施設(乾燥施設を含む。) 洗浄剤が空気に接する面の面積が5m2以上のもの 400ppmC
ガソリン、原油、ナフサその他の温度37.8度において蒸気圧が20キロパスカルを超える揮発性有機化合物の貯蔵タンク(密閉式及び浮屋根式(内部浮屋根式を含む。)のものを除く。) 1,000kℓ以上のもの(ただし、既設の貯蔵タンクは、容量が2,000kℓ以上のものについて排出基準を適用する。 60,000ppmC

注1)「送風機の送風能力」が規模の指標となっている施設で、送風機がない場合は、排風機の排風能力を規模の指標とする。

注2)「乾燥施設」はVOCを蒸発させるためのもの、「洗浄施設」はVOCを洗浄剤として用いるものに限る。

注3)「ppmC」とは、排出濃度を示す単位で、炭素換算の容量比百分率である。

 (3)規制の対象となる施設の設置届出等について

規制の対象となる施設の設置や、構造等の変更の際には、届出が義務付けられております。

届出先は、県内の各地域振興局福祉環境部(秋田市内は秋田市環境保全課)です。

 新たに施設を設置等する場合には、実施制限が定められており、届出が受理された日から60日を経過した後でなければ、施設の設置等ができません。ただし、各地域振興局福祉環境部等と十分に調整を行った場合には、実施制限の期間を短縮し、60日間の期間中にも工事の着手が可能となります。

VOC排出規制の詳細については、環境省ホームページでも御覧いただけます。

また、環境省ではVOC排出規制の関係資料を作成しておりますので、御活用ください(「ダウンロード」参照)。