流動化の方法

 非かんがい期の流動化運用(以下「流動化1期」という)は、H12~H14の試験方法に基づき、西部承水路の管理水位を保ったまま、南部排水機場から強制排水しながら浜口機場から導水する方法とし、期間は概ね8月下旬から10月末までとした。
 南部排水機場からの強制排水は、施設を管理する八郎潟基幹施設管理事務所と協議の上、1日あたり6時間(ポンプ能力10m3/s)とし、浜口機場の水位管理システムで西部承水路の水位低下を感知して自動で注水と停止を行った。

流動化1期の成果

H15からH20までの6年間では、流動化期間中の南部排水機場の西部排水量(降雨時排水含む)は年平均約1,600万m3で、西部承水路容量(880万m3)の約2倍であった。
 西部承水路の水質の年間動向では、対策前(H5~H14)と流動化1期(H15~H21)を比べると、実施月の数値が低下し8月以降のピークが抑えられた(図1~3)。
 これにより年平均値を押し下げる結果となり、経年動向では、3水域で突出して悪かった西部承水路の水質が他の2水域に近づき、非かんがい期の流動化運用は一定の成果を得た(図4)。
 しかし、実施月の水質改善は見られるものの、その他の月は以前と同様であり、流動化による水質改善効果が他の時期に波及していないという課題も見えた。

グラフ:COD変化 グラフ:T-N変化 グラフ:T-P変化 グラフ:COD経年変化