秋田沿岸は、北端の青森県境から南端の山形県境に至る全長約264km、6市2町からなる区域である。本沿岸は、冬季風浪や台風、地震、津波などの厳しい自然条件にさらされており、これらによる災害から背後地を防護することが課題となっている。

このため、秋田県では海岸事業により、津波、高潮、海岸侵食などによる海岸災害から、背後の人命、財産、そしてわが国の国土を守るための海岸保全施設整備を進めてきた。これまでに整備された海岸保全施設により、顕著な海岸災害の発生は防止されるようになったものの、いまなお越波や浸水による災害も発生しており、まだまだ防護水準が十分に満たされたとはいえない状況にある。また、地震、津波のほか、既存施設の老朽化や機能低下、流出土砂の減少に伴う侵食の激化も懸念されている。

一方、秋田沿岸は豊かな自然環境を有しており、古くから秋田の文化、歴史、風土を育んできた。しかし、沿岸域の開発とともに自然海浜が減少しているほか、船舶の放置や車両乗り入れのような無秩序な行為によって海岸環境が損なわれることもあり、残された自然海岸の保全が望まれている。

また、秋田沿岸は漁業、海運に利用されてきたことに加え、近年では海洋性レジャーや様々な動植物と触れ合う場としての利用ニーズが増大しており、利用の競合による弊害が発生しつつあることから、適切な利用の促進を図る制度が望まれている。

このような中、環境保護や海岸利用の多様化などの社会情勢変化に対応するために平成11年に海岸法が改正され、平成12年4月に施行された。改正海岸法は、“防護”だけでなく、“海岸環境の整備と保全”や“公衆の適正な利用”にも配慮し、「防護」、「環境」、「利用」のバランスのとれた、総合的な海岸管理を目的としている。

秋田沿岸について、平成15年12月に海岸保全基本計画を策定し、“安全で美しい海岸空間の創出”を目指して、総合的な海岸保全をより一層推進していくものとした。

計画変更の背景

平成23年3月には、東北地方太平洋沖を震源とする巨大地震によって東日本大震災が発生した。東日本大震災では、これまでの想定をはるかに超えた巨大な地震・津波によって、東日本太平洋沿岸域を中心に多大な人的・物的被害が発生し、海岸における防災・減災対策の重要性が高まっている。また、地球温暖化による海面上昇や台風の巨大化による沿岸地域への影響増大、海岸保全施設の急速な老朽化等の課題に対応するため、平成26年に海岸法の一部が改正されたことを受け、秋田県海岸保全基本計画を変更するものである。

  • 平成15年12月秋田沿岸海岸保全基本計画策定
  • 平成28年2月計画変更

秋田沿岸海岸保全基本計画

  • 表紙・目次
  • はじめに
  • 第1章 海岸の保全に関する基本的な事項
    1. 海岸の現況及び保全の方向に関する事項
    2. 海岸の防護に関する事項
    3. 海岸環境の整備及び保全に関する事項
    4. 海岸における公衆の適正な利用に関する事項
    5. その他の重要事項
  • 第2章 海岸保全施設の整備に関する基本的な事項
    1. 海岸保全施設を整備しようとする区域
    2. 海岸保全施設の種類、規模、配置など
    3. 海岸保全施設による受益の地域及びその状況
  • 第3章 海岸保全施設の維持又は修繕に関する事項
    1. 海岸保全施設の存する区域
    2. 海岸保全施設の種類、規模、配置など
    3. 海岸保全施設の維持又は修繕の方法

問合せ先

この計画は秋田県の海岸全域を対象とし、港湾空港課・河川砂防課・水産漁港課の3課共同により策定するものであります。なお、各港湾・漁港の区域内については、港湾空港課・水産漁港課がそれぞれ所管し,それ以外の海岸につきましては、河川砂防課で所管しております。

秋田市山王四丁目1-1

  TEL FAX
秋田県農林水産部水産漁港課 018(860)1889 018(860)3849
秋田県建設部河川砂防課 018(860)2514 018(860)3809
秋田県建設部港湾空港課 018(860)2543 018(860)3804

ダウンロード