皆さんはハンセン病という言葉を知っていましたか?
皆さんはもちろん、多くの方が患者さんに身近に接する機会がないため、
「ハンセン病」や今なお存在する「偏見や差別」について知らなかったと思います。
隔離政策が全てを封印したまま、時間が過ぎてしまったからです。
では、秋田県出身の、元患者さんはどんな道を歩まれたのでしょうか。
元患者さんは何人くらい在園されていますか?
療養所に在園されている秋田県出身の方(H16.5.1現在)
(青森県)
72名
(宮城県)
6名
(群馬県)
19名
(東京都)
14名
(静岡県)
2名
(岡山県)
1名
計
114名
在園者数 114名 平均年齢 76歳 平均在園年数 46年 (各園からの報告値です) 戦前(1945年以前)に入所した方は現在少なくなり、多くの方は基本的人権が確立された新憲法下でも隔離され続けました。
平成16年度
「ハンセン病を正しく理解する週間」パネル展示
(県庁・展示ホール)10代で入所した場合が多く見受けられます。中学生で入所した方も珍しくなく、なかには小学生で家族と離れて入所せざるを得ない人もいました。 秋田県では、昭和30年以降わずか数名の発症者を数えるだけとなりました。ことに、昭和49年以降は一人の患者さんも出ていません。また、全国でも現在は年に10名位の発症者しかおりませんし、適切な医療を受けて完治しています。このことからもハンセン病は、他の病気よりもむしろ完治する可能性の大変高い病気といっていいでしょう。 現在療養所に暮らすほとんどの方は、ハンセン病は完治しています。ただ、後遺症や高齢のために身体的障害のある方も多く、また、出産を禁じられたため身寄りもなく、根強い偏見から故郷に帰れないなどの社会的事情により、ほとんどの方が療養所で暮し続けています。
元患者さんはどのような想いで過ごしていたのでしょうか? 次は県出身の方からのおたよりの一部です。 ![]()
元患者さんはどのようにふるさとを思っているのでしょうか? 皆さんは「望郷の想い」をまだ感じることはないでしょう。でも、生まれ故郷から無理矢理遠く引き離され、しかも自由を奪われたとき、どんなに秋田の山河が恋しかったことか。
30年以上前も平成の今も変わることはありませんでした。
秋田県では元患者さんと交流事業をおこなっています。
県では、療養所で暮らす方への慰問活動や、県民の方に対し正しい知識の普及啓発活動を続けてまいりました。また、「里帰り事業」で県出身者の方を秋田にご招待し、ふるさとを見ていただく事業を実施しております。*ふるさと里帰り事業
昭和44年から始まり、今年で17回目を迎えました。
平成16年度里帰り事業*芸能団派遣事業
後遺症や高齢化に伴い、園から外出できない人も多くなってきているため、秋田県内の芸能団を派遣しています。秋田の民謡や踊りは、県出身者はもちろん、園全体の方に喜んでいただいています。平成16年度芸能団派遣(栗生楽泉園) ⇒
どうしたら差別や偏見がなくなるのかなあ?
「ハンセン病という病気も、それから元患者さんについても、いままで全然知らなかったわ。」 「だって、国や県が患者さんを療養所に隔離して、姿が見えないように社会から遠く引き離して、一般の人々が簡単に近寄れないようにしたんだからしょうがないね。」 「だから、みんなが知る機会がなくて、関心を持つ機会もなくなり、さらには考えるということさえ忘れてしまったのね。」 「だったら、反対に、ぼくたちが、日常生活の身近な出来ごととして考えて、取り組みを続ければ、時間がかかってもいつか必ず解決の糸口が見つかっていくということでもあるよね。」 「そうね、封印されたままのハンセン病問題についても、私たちが関心を向けていけばいつかは、きっと差別や偏見はなくなるわけよね。」 「それには、ぼくたちの何気ない差別の気持ちも反省しなくちゃ。だって、自分と違うところがあるというだけで、ついつい人を偏見の目で見てしまうときがあるものね。」 「本当にそう思う。今のいじめの原因でもあると思う。自分と他の人は違って当たり前、その違いの理由を正しく理解すれば差別意識や偏見はなくなると思うんだけど。」 「それから、元患者さんのことを知ることも必要だね。きっとみんなのおじいさんやおばあさんと同じで優しい人たちに違いないんだもの。」 「そうよね、私たちが今いろんな病気を怖がらなくていいのは、過去にたくさんの苦しんだ人々がいたからだって、お母さんが言ってたけど、ハンセン病の場合は特にそうなのよね。私たちに代わって、病気を引き受けてくれたんだもの。これからも、元気でいてほしいと思う。何か私たちにできることないかなあ?」
記憶してください、元患者さんたちのこと
半世紀以上もの長い間、普通の社会と隔絶した環境で過ごすことを強制され、ふるさとや家族と絶縁して、苦難の長い年月を経てきた人がいるということを私たちは認識し続けなければならないのでないでしょうか。
私たちが無頓着だったのは、身近にハンセン病の人がいなかったからであって、 一人ひとりの人権に敏感であったからではないと思うのです。
もし、自分や家族の身の上に同様のことがおきたら、あなたはどうしますか?*このリーフレットは、厚生労働省発行「わたしたちにできること」の副読本として中学生向きに作成しております。
(平成16年12月作成)























